不登校の家庭教師|損をするのは指導ではなく契約。8日で解約できる法律と、教材40万円の型を先に知る
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「不登校専門」と書いてある家庭教師の会社を、いくつか見比べている。料金が分かりにくい。出席扱いになると書いてある。
契約して大丈夫なのか。そういう方に向けて書きます。
先に答えです。不登校の家庭教師で親が損をする場面は、指導の中身ではなく、契約にあります。
家庭教師の契約は法律で守られていて、8日以内なら理由なく解約できます。損が出るのは、教材の抱き合わせです。
- 家庭教師は特定商取引法の「特定継続的役務」。8日以内はクーリング・オフ、それ以後も払う上限が法律で決まっている
- 東京都が2026年5月に注意喚起した型は「1回2,000円の授業料、教材は3年分40万円」
- 「出席扱いになる」と会社が言っても、決めるのは学校。会社を比べる前に、契約書面と教材の総額を見る

先に答え:家庭教師は法律で守られた契約。損は教材の抱き合わせで起きる
家庭教師の契約は、特定商取引法で「特定継続的役務」に指定されています。エステや語学教室、学習塾と同じ枠です。期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約が対象になります。
この枠に入ると、親には3つの権利があります。
契約書面を受け取ってから8日以内の解約。8日を過ぎたあとの中途解約。そして、解約時に払う額の上限です。
だから、指導が合わなかったときに困ることは、法律上はありません。困るのは、契約のときに教材を一緒に買わされる型です。
この型は、東京都が2026年5月に注意喚起しました。順に書きます。
契約は「特定継続的役務」:8日のクーリング・オフと、中途解約の上限
消費者庁の特定商取引法ガイドから、家庭教師に関わる決まりを抜き出します。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 対象になる契約 | 期間2か月超、かつ金額5万円超 |
| 書面 | 契約前に「概要書面」、契約時に「契約書面」を渡す義務 |
| クーリング・オフ | 契約書面を受け取った日から8日以内。理由は要らない。教材も一緒に解除できる |
| 中途解約(指導が始まる前) | 払うのは2万円まで |
| 中途解約(指導が始まったあと) | 払うのは「受けた分の授業料」+「5万円か1か月分の授業料の低いほう」まで |
8日を過ぎても、やめられます。その場合に払うのは、受けた分と、上限までの額です。
「3年分の契約だから3年分払え」は、法律上は通りません。
書面をもらっていない場合は、8日の数え方が始まっていません。紙の書面をもらったかどうかが、最初の確認です。
東京都が注意喚起した型:授業料1回2,000円、教材3年分40万円
東京都が2026年5月に出した注意喚起の事例です。
ネットで探して、授業料の安いオンライン家庭教師を見つけた。資料請求すると電話が来て、無料体験に参加した。
契約のとき、授業料とは別の説明があった。
- 授業料:月4回で1回2,000円
- テキスト:中学3年分で約40万円
都内の消費生活センターには、家庭教師に関する相談が増えていると都は書いています。広告に載っていない教材の購入を、体験のあとで勧める型です。
東京都の助言は2つです。教材もクーリング・オフの対象に入る。8日を過ぎても中途解約でき、払う額は法律で上限が決まっている。
消費者庁の執行事例(行政処分)を検索しました。家庭教師と学習塾では、直近5年で処分は0件です。処分に至る業者は少ないということです。
損は、業者が悪質かどうかより、契約の中身を知らずに結ぶことから起きています。
費用の物差し:一般家庭の家庭教師費は年5.7万〜8.3万円
「不登校専門の家庭教師は高いのか」を判断する物差しを、文部科学省の調査から出します。
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| 区分 | 通信教育・家庭教師費(支出した家庭の年間平均) | 支出0円の家庭 |
|---|---|---|
| 公立小学校 | 約5万7,000円 | 61.4% |
| 公立中学校 | 約7万8,000円 | 72.7% |
| 公立高校(全日制) | 約8万3,000円 | 81.1% |
出典は文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」です。通信教育と家庭教師を合わせた額なので、家庭教師だけならもう少し高くなります。
家庭教師の料金は、会社ごとに違います。後半で並べる2社(PR)の公式サイトの料金を例に、物差しを並べます。
- 2社の例(中1・90分を週1回):月1万5,200円〜2万7,060円、年約18万〜32万円(入会時の費用は別)
- 一般家庭の通信教育・家庭教師費(支出した家庭の平均):年5万7,000円〜8万3,000円
- 公立中学生の塾代(支出した家庭の平均):年34万9,000円
一般家庭の家庭教師費の2〜6倍です。公立中学生の塾代よりは、少し低い水準です。
高いか安いかは、この2つと比べて決めてください。塾に通えない代わりに家庭教師を使うなら、額としては塾代に近くなります。
塾にするか家庭教師にするかは、目的で分けられます。目的別の選び方は不登校の子の塾に書きました。
出席扱いになるのか:家庭教師の訪問は要件の1つ。決めるのは学校
「家庭教師で出席扱いにできます」と書いてある会社があります。半分は本当で、半分は違います。
文部科学省の通知には、家で学んだ日を出席扱いにする要件が並んでいます(令和元年10月の通知、別記2)。
その中に「訪問などによる対面の指導が、定期的・継続的に行われること」があります。家庭教師の訪問は、この要件に当てはまりうるという意味で、本当です。
ただし、ほかの要件もあります。
- 学校と保護者の連携があること
- 学習の計画を学校が把握し、教育課程に照らして適切と判断すること
- 「公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合」であること
決めるのは校長です。会社ではありません。2024年度に、この形で出席扱いになった子は13,261人です。
会社に言われたら、同じ質問を担任にしてください。要件の全体は不登校のフリースクール|通っている子は約5%、費用は月4万円前後に書きました。
訪問とオンラインの違い
- 訪問型:先生が家に来る。人と会う練習になる。対象エリアが決まっていて、地方では会社が限られる。交通費が別のことがある
- オンライン型:全国どこでも。料金は訪問より低いことが多い。画面越しでも大丈夫な子に向く。教材の抱き合わせは、この型で注意喚起が出ている
どちらが合うかは、本人次第です。知らない大人が家に来るのと、画面で話すのと、どちらなら続けられるか。無料体験で試して、本人に聞くのがいちばん確かです。
訪問型を探すときは、対象エリアを先に確かめてください。会社ごとに、先生を出せる範囲が決まっています。
おすすめを選ぶ前に:オンライン2社を、料金と契約の条件で並べた
「おすすめ」は、子どもの学年や状態で変わります。このサイトでは順位をつけず、公式サイトに書かれた条件を並べます。
並べるのは、このサイトが紹介しているオンラインの2社です(PR)。料金は、公式サイトで確かめた内容です(確認日は出典に書きました)。
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| 項目 | オンライン家庭教師WAM | オンライン東大家庭教師友の会 |
|---|---|---|
| 料金の決まり方 | 学年と回数で決まる月額(週1回=月4回) | 教師の区分ごとの時間単価 × 受けた時間(後払い) |
| 中1・90分を週1回の例 | 月1万5,200円〜 | 3,960円×6時間+学習サポート費3,300円=月2万7,060円〜 |
| 入会時の費用 | 入会諸費用などが別途(金額は問い合わせ) | 入会金2万2,000円 |
| 教材 | 高額教材の強制販売はしない。1冊1,100〜3,500円のテキストを勧める場合がある | 特定の教材は用意しておらず、購入は不要 |
| 先生が合わないとき | いつでも交代できる | 教師交代費0円 |
| 不登校向けの案内 | 「不登校の方へ」のページがある(全学年、前の学年に戻る学習、保護者の同席も可) | 料金とよくある質問のページには記載なし |
友の会の例は、時間単価がいちばん低い「スタンダード教師」で計算しました。受験対策をしないベーシックコースの単価です。
表から読めること
WAMは、月額の目安が低めです。ただし入会時の費用は公開されていないので、資料で総額を確かめてください。
友の会は、料金の内訳がすべて公開されています。教材を買う必要もありません。そのぶん、時間単価は高めです。
どちらを選ぶ場合も、上の「東京都が注意喚起した型」に当たらないかを見ます。WAMは、契約書面を受け取ってから8日間のクーリング・オフを、特定商取引法の表示に書いています。
不登校に合わせた進め方を重く見るなら、WAMの「不登校の方へ」を資料で確かめてください。先生の相性を体験で確かめたいなら、友の会の無料体験が使えます。
契約の前に確かめる6つ

- 概要書面と契約書面を、紙でもらったか。8日のクーリング・オフは、契約書面を受け取った日から数えます
- 教材費の総額はいくらか。買わなくても受講できるか。「必ず当社の教材を使う」と言われたら、総額を紙で出してもらいます
- 途中でやめるときの精算額が、法律の上限以内か。5万円か1か月分の低いほう、と書いてあるか
- 無料体験で、本人が「また来てほしい」と言ったか。合わなければ8日以内にやめられます
- 「出席扱いになる」と言われたら、学校に同じ質問をしたか。決めるのは校長です
- 訪問型なら、対象エリアに入っているか。エリア外だと、オンラインに切り替わることがあります
注意:「必ず登校できるようになる」「出席扱いを保証する」と説明する会社は、確かめる項目が残っています。契約書面を渡さない、教材の総額を口頭でしか言わない会社も同じです。困ったら消費者ホットライン 188(いやや)に電話してください。
合わなかったときのやめ方
契約書面を受け取ってから8日以内なら、書面(はがきかメール)で解約を伝えれば終わりです。理由は要りません。教材も一緒に返せます。
8日を過ぎたら、中途解約を書面で伝えます。
払うのは、受けた分の授業料と、5万円か1か月分の低いほうまでです。
それ以上を請求されたら、消費生活センターに相談します。
やめることは、本人の失敗ではありません。合う先生を探す途中の1回です。
まとめ
- 家庭教師は法律で守られた契約。8日以内は理由なく解約でき、それ以後も払う上限が決まっている
- 損が出るのは教材の抱き合わせ。東京都が2026年5月に注意喚起した。教材の総額を紙で先に見る
- 「出席扱いになる」は半分本当。決めるのは学校なので、担任に同じ質問をする
出典
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」特定継続的役務提供。対象の条件(2か月超・5万円超)、書面の交付義務、クーリング・オフ8日、中途解約の上限(開始前2万円、開始後は5万円か1か月分の授業料相当額の低いほう)、関連商品
- 東京都 消費生活「授業料の安さに惹かれて体験授業を受けたら、高額な教材も購入することに!~家庭教師の契約に関するトラブルに注意~」(令和8年5月28日)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 執行事例の検索」(2026年9月9日時点。商品・役務「家庭教師」「学習塾」で該当なし。表記の違いで拾えない事例がある可能性は残る)
- 文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」結果の概要(2026年1月16日公表)。通信教育・家庭教師費の支出者平均(公立小約5万7千円、公立中約7万8千円、公立高約8万3千円)、支出0円の割合、学習塾費の支出者平均(公立中約34万9千円)。※2026年9月13日、本文の公立中学生の塾代を38万1,000円から34万9,000円に修正
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)別記2。自宅におけるICT等を活用した学習活動の出席扱いの要件
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」。自宅ICT学習で出席扱い13,261人
- オンライン家庭教師WAM 公式サイト「授業料について」「不登校の方へ」「特定商取引法に基づく表示」(2026年9月14日確認)。40分・90分コースの週1回(月4回)の授業料、教材費は別、入会諸費用など別途、教材の販売方針、講師交代、クーリング・オフの表示
- オンライン東大家庭教師友の会 公式サイト「料金システム」「中学生のコース別料金」「よくあるご質問」(2026年9月14日確認)。入会金2万2,000円、学習サポート費月3,300円、後払い、ベーシックコースのスタンダード教師3,960円/時間、教師交代費0円、教材購入は不要

