通信制高校のネットコース|家だけで卒業はできない。74単位でどれだけ通うかを、学習指導要領の標準で計算した
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家から出にくい。通信制高校のネットコースなら、家だけで卒業できるのか。どれくらい通う必要があるのか。
そういう方に向けて書きます。
先に答えです。ネットコースでも、スクーリング(面接指導)がゼロになる仕組みはありません。動画などの学習で減らせるのは、多くても10分の8までです。
学習指導要領の標準で、74単位で卒業するまでの時間を計算しました。
- 動画などで減らしても、学校で指導を受ける時間:約24〜46時間
計算の中身と、選ぶ前に確かめることを順に書きます。
- 動画やインターネットの学習で減らせる面接指導は、原則10分の6まで。特に必要な場合でも合わせて10分の8まで
- 74単位を、面接指導の少ない組み方で取った場合の標準は約111時間
- 10分の6を減らすと約46時間(1日6コマで約9日)、10分の8なら約24時間(約5日)
- 選ぶ前に、スクーリングの場所・日数・宿泊の有無と、自分が「特に必要な場合」に当たるかを聞く
先に答え:ネットコースは「通う時間を減らしたコース」
通信制高校の勉強は、3つでできています。レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験です。
ネットコースは、スクーリングの一部を、動画などの学習に置き換えたコースです。
学習指導要領の解説には、置き換えのルールが書かれています。
| 条件 | 減らせる面接指導 |
|---|---|
| 動画などの学習を、学校が計画的に取り入れた場合 | 10分の6以内 |
| 生徒の実態から特に必要な場合(複数のメディアを使う) | 合わせて10分の8まで |
どちらの場合も、全部をなくすことはできません。制度の全体は通信制高校とはに書きました。
「特に必要な場合」の例として、解説は次のような場合を挙げています。
- 病気やけがで、入院や自宅療養が必要な場合
- いじめや人間関係など、心の事情で登校が難しい場合
- 仕事や海外生活で、時間の調整がつかない場合
この基準は、学校があらかじめ決めて示すことが望ましいとされています。入学前に、自分が当てはまるかを学校に確かめてください。
計算:74単位で、面接指導の標準は約111時間
学習指導要領には、単位あたりの面接指導の時間の標準があります。教科ごとに決まっていて、1単位時間は50分です。
| 教科 | 1単位あたりの面接指導 |
|---|---|
| 国語、地理歴史、公民、数学、保健 | 1単位時間 |
| 理科、芸術、外国語 | 4単位時間 |
| 体育 | 5単位時間 |
| 家庭、情報 | 2〜8単位時間 |
これを、全員が履修する科目(必履修)に当てはめました。面接指導がいちばん少なくなるように組んだ例です。
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| 区分 | 単位 | 面接指導の標準 | 10分の6を減らした後 |
|---|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学・保健 | 15単位 | 15単位時間 | 6単位時間 |
| 理科・芸術・英語 | 9単位 | 36単位時間 | 14.4単位時間 |
| 体育 | 7単位 | 35単位時間 | 14単位時間 |
| 家庭・情報 | 4単位 | 8単位時間 | 3.2単位時間 |
| 総合的な探究の時間 | 3単位 | 3単位時間 | 3単位時間(減らす対象外) |
必履修の38単位で、標準は97単位時間です。
卒業に必要な74単位までは、あと36単位です。
面接指導が1単位時間の教科で取ると、次のとおりです。
- 合計:133単位時間(約111時間)
動画などで減らせるのは、教科・科目と特別活動の時間です。総合的な探究の時間は、この計算では減らしていません。
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| 場合 | 74単位の面接指導 | 1日6コマで換算 |
|---|---|---|
| 減らさない(標準) | 約111時間 | 約22日 |
| 10分の6を減らす | 約46時間 | 約9日 |
| 10分の8を減らす | 約24時間 | 約5日 |
ネットコースでも、3年間で数日〜十数日は通う計算です。体育の単位数が多いので、体育の面接指導が大きな割合を占めます。
これは標準どおりに、いちばん少なく組んだ場合の例です。実際の時間は、学校の計画や選ぶ科目で増えます。このほかに、卒業には特別活動(30単位時間以上)も必要です。
選ぶ前に確かめる4つ
ネットコースは、学校によって中身が大きく違います。資料や説明会で、次の4つを確かめてください。
1 スクーリングは、どこで、年に何日か
本校が遠い学校では、本校で数日まとめて受ける形があります。近くのキャンパスで受けられるか、年に何日、何泊かを聞きます。
公立の通信制の、スクーリングの日の時間割は通信制高校の時間割と1日に書きました。
2 自分は「特に必要な場合」に当たるか
10分の8まで減らせるかは、学校の基準で決まります。心の事情で登校が難しい場合が対象になるかを、入学前に聞いてください。
3 授業料以外の費用
私立の授業料は、国の就学支援金で単位あたり1万3,668円まで支援されます。
ネットコースで気をつけたいのは、スクーリングの交通費と宿泊費です。端末や通信の費用もかかります。
公立の通信制は、1単位336円などと授業料が安くなっています。ただし、動画で減らせる時間や通い方は学校ごとに違います。費用は通信制高校の学費と公立の通信制高校にまとめました。
4 家で進められる仕組み
ネットコースは、家でレポートを進める時間が長くなります。質問できる相手と方法(チャット、オンラインの面談など)を確かめてください。
一人で分からない教科は、通信制高校生の塾・予備校も参考になります。
ネットコースの3年間の学費の例は、N高等学校(通信制)に書きました。
KADOKAWAとドワンゴが運営する広域通信制です。対象は中学3年生から高校生・高校中退の人。資料を請求しても入学の義務はありません。PR
在籍数の多い学校は通信制高校の人気校ランキングに並べています。
- 計算は、学習指導要領の標準を使った目安です。実際の面接指導の時間は学校ごとに決まります
- 動画などで減らせる割合は、学校の計画と、生徒ごとの判断で変わります

まとめ
- ネットコースでも、スクーリングがゼロになる仕組みはない。減らせるのは原則10分の6、特に必要な場合でも10分の8まで
- 74単位を面接指導の少ない組み方で取ると、標準は約111時間。10分の6を減らして約46時間、10分の8で約24時間
- 3年間で、数日〜十数日は通う計算。体育の面接指導が大きい
- 選ぶ前に、スクーリングの場所と日数・宿泊、「特に必要な場合」の基準、交通費と宿泊費、質問の方法を確かめる
出典
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編」。必履修教科・科目、単位の計算、通信制の課程の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数の標準、多様なメディアを利用して行う学習による面接指導等時間数の免除(10分の6以内、特に必要がある場合は合わせて10分の8まで)と「特に必要がある場合」の例。74単位での面接指導の時間は当サイトで計算

