通信制高校とは|レポート・スクーリング・テストで単位を取る高校。卒業は全日制と同じ高卒で、95%が3年以内に卒業している
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「通信制高校」と聞いて、家で一人でプリントをやる高校を思い浮かべる方が多いと思います。子どもから「通信制に行きたい」と言われて、何をする学校なのかを調べ始めた方に向けて書きます。
先に答えです。通信制高校は「通わない高校」ではなく、「通う回数を学校ごとに決めている高校」です。
学習はレポート・スクーリング・テストの3つで進みます。
卒業は全日制と同じ高卒で、卒業した人の95%は在籍3年以内に卒業しています。
- 通信制高校の仕組み。レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、テストの3つで単位を取る
- スクーリングをゼロにする仕組みは制度上ない。動画などのメディア学習で減らせるのは最大6割まで
- 卒業の条件は74単位と3年以上の在籍。卒業生の95%は3年以内、通い方の型ごとの学校数と生徒数

先に答え:通信制高校は「通わない高校」ではなく「通う回数を学校ごとに決めている高校」
通信制高校は、高校の3つの課程(全日制・定時制・通信制)の1つです。毎日登校する代わりに、家での学習を学校が添削し、決められた日だけ登校して単位を取ります。
名前の「通信」は、昔はレポートを郵便で送っていたことから来ています。いまは、レポートをタブレットで出す学校も、週5日通う学校もあります。
大事なのは、登校をゼロにする仕組みが制度にはないことです。スクーリング(面接指導)は法令で決まっていて、動画などで減らせるのは最大で6割までです。
だから学校ごとの差は、「登校するかしないか」ではありません。「スクーリングをどの型で置くか」と「メディア学習でどこまで減らすか」で出ます。
2025年度の通信制高校は、全国に323校です。
生徒は30万5,197人です。
高校生の9.6%、およそ1割が通信制に通っています。
仕組み:レポート・スクーリング・テストの3つで単位を取る
通信制高校の学習は、文部科学省の説明では「添削指導」「面接指導」「試験」の3つです。学校の案内では、レポート、スクーリング、テストと呼ばれます。
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| 呼び方 | 制度上の名前 | やること |
|---|---|---|
| レポート | 添削指導 | 教科書を見て課題を解いて出す。先生が添削して返す。紙か、タブレットやパソコン |
| スクーリング | 面接指導 | 学校か指定の会場で授業を受ける。科目ごとに回数が決まっている |
| テスト | 試験 | レポートとスクーリングを終えた科目で受ける。年1〜2回が多い |
この3つを科目ごとに終えると、その科目の単位がもらえます。どれか1つが止まると単位が出ません。だから、レポートが出せない時に誰が声をかけるかが、学校を見るときの大事な点です。
スクーリングとは:科目で回数が違い、動画で最大6割まで減らせる
スクーリングの回数は、国が科目ごとの目安を決めています。1単位あたりの標準は次のとおりです。
| 科目 | 1単位あたりのスクーリング |
|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 1回(1単位時間) |
| 理科・芸術・外国語 | 4回 |
| 保健体育 | 5回 |
たとえば数学を4単位取るなら4回です。
体育なら2単位で10回です。
1年分の科目を単純に足すと、年30回を超えます。
この回数を、動画などの「メディア学習」で減らせます。減らせるのは10分の6以内が上限です。
実態調査では、6割減らす仕組みを持つ学校が231校ありました。
全体のおよそ7割です。
8割まで減らす仕組みを持つ学校は33校です。
ただし8割のほうには条件があります。
学習指導要領は、「生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合」に限っています。
- 複数のメディアを使う
- メディアごとに減らせるのは、10分の6まで
- 合わせて、10分の8まで
解説が挙げている例は、病気や事故のため入院や自宅療養が必要な場合です。
つまり「8割まで減らせる学校」に入れば、誰でも8割減るわけではありません。自分が対象になるかは学校に確認してください。
もうひとつ。解説は、視聴した時間と同じかそれ以上の時間を免除する運用は不適切としています。1時間の動画を見て1時間免除、という形にはなりません。
「スクーリングなし」は制度上ない。減った分を「いつ通うか」が学校の差
「スクーリングなしで卒業できる」「通学なし」と検索する方が多いです。ただ、制度上、スクーリングをゼロにする仕組みはありません。
減らしたあとの回数を、どの型で置くかが学校の差です。
スクーリングに出ないと、単位の認定に必要な出席が足りません。
学校が置く型は、大きく3つです。
- 通学型:週5日〜週1日、決まった曜日に通う。授業や行事もある
- 集中型:年に数日〜十数日、まとめて通う。本校が遠い広域校は宿泊を伴うこともある
- その他:月1〜2回や、都合のよい日に通う型
どの型かで、1年の過ごし方がまったく変わります。学校の数と生徒の数は、あとの節で並べます。
ネットコースで卒業までに何時間通うかは、通信制高校のネットコースで標準の数字から計算しました。
卒業の条件:74単位・3年以上の在籍・特別活動30時間。卒業は全日制と同じ「高卒」
通信制高校の卒業に必要なものは3つです。全日制とほぼ同じです。
- 74単位以上を取る
- 3年以上在籍する(転入なら前の高校の在籍期間を通算できる)
- 特別活動(ホームルームや行事)に30単位時間以上出る
卒業すれば、学歴は「高等学校卒業」です。全日制と同じ高卒で、「高校卒業資格」と呼ばれるのもこれです。卒業証書に課程の名前は入りますが、履歴書の学歴欄に通信制と書く決まりはありません。
高卒認定試験とは違います。高卒認定は「高卒と同じ学力がある」と認めるもので、高校を卒業したことにはなりません。
授業の形や先生の数など、全日制との違いは通信制高校と全日制高校の違いで並べました。
何年で卒業する? 卒業生の95%が3年以内
「通信制は卒業まで何年かかるのか」を心配する方が多いので、実態調査の卒業生の数字を並べます。
2024年度に通信制高校を卒業した人は、約9.1万人です。
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| 在籍していた期間 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1年未満(転入して卒業) | 5,853人 | 6.4% |
| 1年以上3年未満(転入して卒業) | 3万8,209人 | 42.0% |
| 3年間 | 4万2,667人 | 47.0% |
| 3年より長く4年未満 | 1,098人 | 1.2% |
| 4年間 | 1,775人 | 2.0% |
| 4年より長い | 1,270人 | 1.4% |
3年以内に卒業した人を足すと95.4%です。
3年より長くかかった人は4.6%でした。
在籍3年未満の人が半分近いのは、ほかの高校から転入した人が多いからです。通信制は「何年もかかる学校」ではなく、転入した人が残りの期間で卒業していく学校です。
ただし公立は少し違います。
4年以上在籍している人の割合は、全体では6.8%です。
公立だけを見ると25.6%です。
公立は働きながら自分のペースで通う人が多く、それが数字に出ています。公立の通い方は通信制高校の公立はどう違う?に書きました。
「卒業率」は公表されていない。あるのは退学率で、学校平均4.2%
「通信制高校 卒業率」と検索する方も多いのですが、国の統計に卒業率という数字はありません。学校ごとに卒業率を出しているところも少数です。
あるのは退学率です。文科省の委託調査では、通信制高校の退学率は学校平均で4.2%でした。
ただし幅は0〜25%で、学校によってまったく違います。
つまり「通信制は卒業しにくい」のではなく、卒業しにくい学校と、そうでない学校があります。見分け方は通信制高校はやめとけ?に、5つの質問として書きました。
通い方は学校で違う:週5通学から集中スクーリングまで
実態調査は、学校が置いているコースを通う回数で分けています。学校の数と、そのコースにいる生徒の数です。
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| コースの型 | 置いている学校 | 生徒数 |
|---|---|---|
| 週5日通学 | 90校 | 3万7,505人 |
| 週4日通学 | 27校 | 5,712人 |
| 週3日通学 | 63校 | 2万13人 |
| 週2日通学 | 69校 | 1万3,564人 |
| 週1日通学 | 128校 | 3万6,929人 |
| 集中スクーリングを前提とする型 | 113校 | 8万6,961人 |
| その他(月1〜2回、都合のよい日など) | 123校 | 9万9,722人 |
1つの学校が複数の型を置くので、学校数の合計は323を超えます。
生徒数がいちばん多いのは「その他」と「集中型」で、合わせると6割を超えます。
週5日通うコースにいる生徒は全体の1割強です。
集中型のコースを置く学校は、私立では227校中98校です。
株式会社立は15校中14校で、ほぼ全部が集中型を持っています。
公立2校の実際の時間割と、夏休みの時期は通信制高校の時間割と1日で読みました。
ここで一つ、気にしてほしい数字があります。レポートは出したのに、スクーリングに1年間一日も来なかった生徒が2.6%います。
人数では8,097人です。
その8,097人のうち、集中型のコースにいる生徒が3,923人で、ほぼ半分です。
週1日通学のコースが1,556人で、これが次に多い型です。
集中型は通う日が少ないぶん、「その数日に行けない」がそのまま単位に響きます。通わないで済む型ではなく、通う日を自分で作る型だと考えてください。
どんな人が通っているか:入学者の57%は中3で不登校。私立の9割は15〜17歳
2025年度に通信制高校へ入学した人は、約7.8万人です。
そのうち57.0%が、中学3年のときに不登校でした。
通信制の入学者の半分以上が、中3で学校に行っていなかった人です。だから「不登校だったのはうちの子だけ」という状況にはなりません。
年齢は、公立と私立で違います。ここでは15〜17歳を「高校生と同じ年齢」と呼びます。
私立は、在籍者の91.5%が高校生と同じ年齢です。全日制とほぼ同じです。
公立は、高校生と同じ年齢の人が48.6%です。残りの半分は18歳以上です。
20歳以上だけでも、3割近くいます。
働きながら通う人や、学び直しの人が多いからです。
年齢や経歴の内訳は通信制高校ってどんな感じ?に詳しく書きました。
「通信制高校 年齢」と調べている大人の方は、公立を先に見てください。同年代の生徒と過ごしたい中学生は、私立の年齢構成のほうが全日制に近いです。
学費:授業料は国の支援でほぼ0円。残るのは授業料以外
2026年度から、国の就学支援金に所得制限がなくなりました。
私立通信制は、年33万7,200円まで支援されます。
授業料が単位ごとの学校なら、単位あたり1万3,668円までです。
公立通信制の授業料は単位あたり336円程度で、これも支援でかかりません。つまり授業料は、公立も私立もほぼ0円です。
残るのは、入学金、施設費、教材費、スクーリングの交通費や宿泊費、サポート校を使う場合の費用です。「あなたの場合いくら残るか」の計算は通信制高校の学費はいくら?に書きました。
都道府県の上乗せは、通信制で扱いが分かれます。大阪は対象校を限って上乗せします。神奈川や愛知は、県内に本校がある学校に上乗せします。
埼玉や福岡には、通信制への上乗せがありません。
健康診断は、全日制と同じように行われる
「通信制でも健康診断はあるのか」という質問があります。あります。
学校保健安全法施行規則を読むと、理由が分かります。この規則に「通信制」という言葉は一度も出てきません。課程による例外が書かれていないのです。
つまり、通信制の生徒も全日制と同じ扱いです。
| 決まっていること | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 毎学年、6月30日までに行う |
| 項目 | 身長・体重・視力・聴力・歯など11項目 |
| 結核の検査 | 胸部エックス線は高校1年生で行う |
| 結果の通知 | 21日以内に本人と保護者へ |
受けられなかった人にも、事情がなくなったあとすみやかに行うと書かれています。受けそこねて終わり、ではありません。
健康診断票は、転入のときに前の学校から送られる
同じ規則に、もう1つ大事なことが書いてあります。
校長は、生徒が転学したとき、健康診断票を転学先の校長に送らなければなりません。進学のときも同じです。
全日制から通信制に移るときも、この書類は動きます。自分で持っていく必要はありません。
保存期間は5年です。
学校には、保健と安全の計画を作る義務がある
文部科学省のガイドラインは、通信制を置く学校に対して次の4つを作るよう求めています。
- 学校保健計画(学校保健安全法第5条)
- 学校安全計画(同第27条)
- 危機等発生時対処要領(同第29条第1項)
- 学校いじめ防止基本方針(いじめ防止対策推進法第13条)
「通う日が少ないから」で省ける決まりではありません。見学のときに、健康診断をいつ・どこで受けるのかを聞いてください。スクーリングの日程と合わせて組む学校が多いからです。
公立・私立・サポート校の違い
通信制高校には、公立(都道府県立)、私立、株式会社立があります。
内訳は、公立81校、私立227校です。
株式会社立は15校です。
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| 公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 学費 | 年3〜4万円程度(教科書代など) | 授業料は支援でほぼ0円。施設費などが残る |
| 通い方 | 日曜や平日の決まった曜日。自分で進める部分が多い | 週5日〜集中型まで学校が型を用意 |
| 年齢 | 15〜17歳が半分。大人も多い | 15〜17歳が9割 |
| 学校数 | 81校(県に1〜2校) | 227校(キャンパスは駅前に多い) |
公立の細かい違いは通信制高校の公立はどう違う?に書きました。
もう1つ、よく混ざるのが「サポート校」です。サポート校は高校ではなく、通信制高校の生徒の学習や生活を支える民間の施設で、費用は別にかかります。
高校と施設の関係は通信制高校とサポート校の違いに書きました。制服があるかどうかは通信制高校に制服はある?です。
卒業したあと:進路の数字
2024年3月に通信制高校を卒業した人の進路です。
| 進路 | 割合 |
|---|---|
| 大学 | 21.2% |
| 専門学校 | 22.3% |
| 就職 | 20.1% |
| 進学も就職もしていない | 28.2% |
全日制と比べて差が出るのは、大学に行く割合と、進路を決めずに卒業する割合です。学校の種類で人生が閉じるのではなく、進路を決めて卒業できるかどうかが分かれ目です。
- 「人生終わり」と言われることへの答え:通信制高校は人生終わりなのか
- 大学に行きたいなら:通信制高校から大学進学は難しい?
- 就職のとき、どう見られるか:通信制高校卒の就職は不利?
学校を選ぶときに確かめること
仕組みが分かったら、次は学校ごとの違いです。見るのは、通う回数、相談できる人、数字を出すか、の3つです。
- 学校の見分け方(5つの質問):通信制高校はやめとけ?
- いまの高校から移るなら:通信制高校への転入は後悔する?
都道府県ごとの制度と公立の通い方は、別に書いています。

注意:「一度も通わずに卒業できます」と説明する学校があったら、スクーリングの型と年間の日数を紙で出してもらってください。面接指導は法令で必須で、減らせるのは最大6割までです。
まとめ
- 通信制高校は「通わない高校」ではなく、通う回数を学校ごとに決めている高校。学習はレポート・スクーリング・テスト
- スクーリングをゼロにする仕組みはない。動画などで減らせるのは最大6割まで。差は「どの型で通うか」に出る
- 卒業は74単位と3年以上の在籍で、全日制と同じ高卒。卒業生の95%は3年以内に卒業している
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出典
- 学校保健安全法施行規則(昭和33年文部省令第18号)第5条(毎学年6月30日までに実施、受けられなかった者への事後実施)、第6条(検査の項目11項目、結核の有無の検査は高等学校の第1学年)、第8条(健康診断票の作成、進学先・転学先の校長への送付、5年間保存)、第9条(21日以内の通知)。同規則には「通信制」の語による例外規定はない
- 文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(2023年改訂)(7)その他⑤。実施校に学校保健計画・学校安全計画・危機等発生時対処要領・学校いじめ防止基本方針の作成を求めている
- 文部科学省「通信制高校の情報発信サイト 通信制高校とは?」。添削指導・面接指導・試験、メディア学習による面接指導の減免(10分の6以内、特例10分の8以内)、1単位あたりの面接指導の標準時数、卒業要件(74単位・特別活動30単位時間・3年以上)
- 文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年4月21日)。学校数323(公立81・私立227・株式会社立15)、通学頻度別コースの開設学校数と生徒数、面接指導の減免を10分の6以内で実施する学校231校・10分の8以内33校、令和7年度入学者7万7,998人のうち中3不登校4万4,461人、面接指導に1日も来ていない生徒8,097人(2.6%)とコース別内訳、令和6年度卒業生9万872人の在籍期間別人数、4年以上在籍者の割合、年齢構成
- 文部科学省「令和7年度学校基本調査」学校通信教育調査(高等学校)表158「年齢別生徒数」(確定値、2025年12月26日公表、e-Stat)。通信制の生徒30万5,197人。高校生の9.6%は、同確定値の高等学校在学者数2,873,619人に通信制を足した3,178,816人を分母として当サイトが計算
- 文部科学省委託「定時制・通信制の課程を置く高等学校について(令和5年度)」調査報告書。通信制の退学率 校平均4.2%(0〜25%)
- 文部科学省「学校基本調査」をリクルート進学総研が集計(2025年4月)。2024年3月卒の進路(大学21.2%・専門22.3%・就職20.1%・上記以外28.2%)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(2026年6月16日)。所得制限なし、私立通信制33万7,200円、1単位1万3,668円、公立通信制336円/単位
- 「3年以内に卒業した人95.4%」は、実態調査の在籍期間別卒業生数から当サイトが計算したもの

