通信制高校とサポート校の違い|サポート校は学校ではない。でも2021年から高校の学則に載る施設になった
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通信制高校の説明会に行くと、「サポート校」という言葉が出てきます。高校なのか、塾なのか。お金は二重に払うのか。
ここが分かりにくいまま、話が進みがちです。
先に答えです。高卒資格を出すのは通信制高校です。サポート校は学校ではありません。
ただし2021年から、多くのサポート校は通信制高校の学則に載る「施設」になりました。ここを知っていると、見分けやすくなります。
- 高卒資格は通信制高校が出す。サポート校は民間の施設で、就学支援金は使えない
- 2021年から、高校が連携するサポート校は「学習等支援施設」として学則に載る。全国に2,317施設
- そのうち58%は、高校側の自己評価が行われていない。見分けるのは「学則に載っているか」「評価が公表されているか」
- デメリットは、国のガイドラインが注意している4つ。費用の二重、卒業に必須という説明、高校に見える名前、施設の人による採点

先に答え:資格を出すのは高校。サポート校は「学則に載る民間の施設」
3つを分けて書きます。通信制高校、スクーリング会場、サポート校です。
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| 通信制高校(本校) | 面接指導等実施施設 | 学習等支援施設(サポート校) | |
|---|---|---|---|
| 何をする | 単位を認定し、卒業させる | スクーリング(授業)や試験を行う | 勉強の伴走、相談、通う場所 |
| 法律上 | 学校 | 高校の学則に載る連携施設 | 高校の学則に載る連携施設 |
| 高卒資格 | 出す | 出さない | 出さない |
| 就学支援金 | 授業料が対象 | 対象外 | 対象外 |
| 全国の数(2025年5月) | 323校 | 2,024施設 | 2,317施設 |
サポート校は、法律の言葉では「学習等支援施設」です。生徒の相談、課題の事務、学習の支援を行う施設で、授業や試験そのものは行いません。授業と試験を行うのは、高校か、面接指導等実施施設です。
高校側で教える教員の数と働く場所は、通信制高校の教員は1万9,081人にまとめました。
この区分は、2021年の高等学校通信教育規程の改正で決まりました。通信制高校が連携する施設は、学則に書くことになりました。つまり、候補のサポート校が「どの高校の学則に載っているか」は、高校に聞けば分かります。
学則に載らない独立系のサポート校もあります。塾や予備校に近い形です。
同じ名前で高校と予備校のコースがある例は、四谷学院高等学校(通信制)にまとめました。
それが悪いわけではありませんが、高校側の評価が及びません。その場合は、施設自身に「卒業まで続けた人の割合」を聞きます。
サポート校が生まれた理由:通信制は自学自習だから
通信制高校の勉強は、レポート(課題)を自分で進めるのが中心です。決まった日までに、1人で出し続ける。ここでつまずく人がいます。
文部科学省が2026年に公表した調査があります。
課題は出したけれど、年間で1日も登校しなかった生徒が2.6%いました。
入学した人の57%は、中3のとき不登校だった人です。
「1人で続ける」が難しい人のために、伴走する場所が要る。それがサポート校の役割です。
通信制高校の側にも、質問への回答や面談が求められています。通信制高校の勉強に書きました。
週に何回か通う場所、課題の進め方を見てくれる人、相談できる人。この3つを民間が提供しています。
いくつあるか:全国4,341施設。サポート校型は2,317
文部科学省の調査で、通信制高校が連携する施設を数えています。2025年5月時点の内訳は、次のとおりです。
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| 設置者 | 面接指導等実施施設 | 学習等支援施設(サポート校) |
|---|---|---|
| 公立 | 152 | 0 |
| 私立 | 1,867 | 2,008 |
| 株式会社立 | 5 | 309 |
| 合計 | 2,024 | 2,317 |
公立の通信制には、サポート校型の施設がありません。サポート校は、私立と株式会社立の通信制と組んで成り立っています。
株式会社立の学校で、学校の費用とコースの費用がどう分かれているかはルネサンス高校グループ(通信制)で見ました。
在籍の数字も見ます。サポート校型のうち、在籍する生徒が0人の施設が892あります。
多くは、希望者がいない、募集を止めたなどの施設です。
実際に生徒がいるのは約1,400施設です。ほとんどが200人未満の小規模です。
東京の例は東京のサポート校で数えました。同じ住所に、2つ以上の高校の施設が届け出られている例があります。
サポート校の一覧は、どこで見られるか
一覧は、文部科学省の「分かる・見つかる通信制高等学校」で公開されています。詳細検索用のエクセルに、施設ごとの住所・定員・在籍が載っています。
このエクセルで、サポート校型の施設を都道府県ごとに数えました。多い順の10都府県です。
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| 都府県 | 施設の数 | 在籍 | 在籍0人の割合 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 310 | 8,320人 | 39% |
| 神奈川県 | 200 | 3,547人 | 26% |
| 大阪府 | 154 | 1,974人 | 39% |
| 愛知県 | 142 | 2,731人 | 35% |
| 埼玉県 | 123 | 3,380人 | 49% |
| 千葉県 | 111 | 4,065人 | 34% |
| 兵庫県 | 109 | 2,880人 | 39% |
| 茨城県 | 75 | 1,186人 | 51% |
| 長野県 | 72 | 773人 | 54% |
| 静岡県 | 64 | 1,367人 | 34% |
在籍0人の割合は、県によって2倍ほど違います。一覧に名前があっても、いま生徒がいるとは限りません。
一覧で候補を見つけたら、施設に「いま何人いますか」と聞いてください。
お金:二重に払う仕組み。高校の分は支援金、サポート校の分は対象外
「サポート校に入ると、学費が二重になる」と言われます。仕組みとしては、そのとおりです。
- 通信制高校の授業料:就学支援金の対象。2026年度から所得制限なし。私立通信制は年33万7,200円まで支援され、多くの学校で実質0円
- サポート校の費用:就学支援金の対象外。学校の公表例で初年度50万〜100万円
だから、「通信制は学費が高い」という話の多くは、サポート校を足した総額の話です。
サポート校の代わりに、分からない教科だけ塾や家庭教師を使う方法もあります。通信制高校生の塾・予備校で、目的別に整理しました。
1つの学校の例として、コースごとの学費と連携施設の中身をクラーク記念国際高校(通信制)で整理しています。
授業料の支援の仕組みは、通信制高校の学費はいくら?に書きました。
文部科学省は2024年、各都道府県に通知を出しています。サポート校で生徒を募集するときは、「高校が行う教育」と「施設が行う支援」を分けて書くこと。費用も、誤解を与えないように示すこと。
見積もりが1枚にまとまっている場合は、2つに分けてもらってください。
サポート校の学費補助はあるか
国の就学支援金は、高校の授業料が対象です。サポート校の費用は入りません。
都道府県の上乗せも、授業料が対象の制度が中心です。東京都の助成金のページには、「サポート校・技能教育施設等の受講料等は対象外」と書かれています。
「無償化でサポート校も実質0円」と聞いたら、見積もりを分けてもらいます。授業料と、施設の費用です。0円になるのは、高校の授業料の部分です。
収入が少ない家庭には、授業料以外の費用に使える奨学給付金があります。額と対象は通信制高校の学費はいくら?に書きました。
サポート校のデメリット:国のガイドラインが注意している点
サポート校を悪く言うつもりはありません。ただ、国のガイドラインには、注意すべき点がはっきり書かれています。
使うのは、文部科学省の「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」です。親が知っておきたい点を並べました。
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| 起きやすいこと | ガイドラインの書き方 | 確かめること |
|---|---|---|
| 費用が二重になる | 高校の授業料と、施設の活動の費用を区別して説明する | 見積もりを2つに分けてもらう |
| 入らないと卒業できないと言われる | 施設の活動の受講が卒業に必ず要るかのような説明はしない | 高校の資料で、所属が必須かを見る |
| 施設が高校に見える | 高校と誤解させる名前や、高校名だけの看板は避ける | 入学するのはどの高校か |
| 施設の人が採点する | 施設の職員に添削指導などをさせるのは不適切 | レポートを見る先生は誰か |
2つ目は、学校の決まりで所属が必須の学校もあります。その場合は、高校の募集要項に書いてあります。例は鹿島学園高校(通信制)です。
4つ目の意味は、レポートの添削とスクーリングと試験は、高校の先生の仕事だということです。サポート校のスタッフが担うのは、学習の伴走と相談です。
もう1つ、数字の面のデメリットがあります。在籍のない施設が多く、高校側の評価も見えにくい状態です。次の節で書きます。
見分け方:学則に載っているか、評価が公表されているか
高校は、連携する施設ごとに自己評価を行い、公表することになっています。
ところが文部科学省の調査では、高校側が自己評価を行っていない施設が58%ありました。
行っていても公表していない施設が、さらに20.5%です。
先生の数、やめた人の数、教育の計画。これらを公表していない施設も多い、と調査は書いています。
見分け方は2つです。
- 候補のサポート校は、どの通信制高校の学則に載っているか。高校に聞けば答えが返ります。載っていなければ、独立系です
- その施設の評価は公表されているか。高校のサイトか、施設に聞きます。公表している施設は、全体の2割ほどです
公表していない施設が悪いとは限りません。ただ、見分ける材料がありません。答えが返る施設のほうが、判断しやすいです。
入学するときに学習センターへの所属が必須の学校もあります。例は鹿島学園高校(通信制)に書きました。
キャンパスごとにコース別の指導料がある例は、第一学院高校(通信制)です。
サポート校が要る人、要らない人

- レポートを、決まった日までに1人で出し続けられそうか。難しければ、伴走が要ります。サポート校か、高校の通学コースを考えます
- 週に1回以上、人と顔を合わせる場所が学校以外にあるか。なければ、通う場所としてサポート校を考えます。塾や地域の場でも代わりになります
- 困ったとき、その日のうちに相談できる大人が学校側にいるか。いなければ、施設側で補います
3つとも「はい」なら、サポート校なしで始めて構いません。サポート校は途中から入れます。先に高校だけで始めて、様子を見る選び方もあります。
高校側の相談体制と通う回数の見分け方は、通信制高校はやめとけ? 言われる理由5つを数字で確かめて、やめたほうがいい学校の見分け方に書きました。
契約の前に、施設に聞く4つ
- どの通信制高校の学則に載っていますか。載っていれば、高校の評価の対象です
- 去年、何人が入って、何人が卒業までいましたか。続けた人の割合が、いちばんの材料です
- 費用は、高校の授業料と分けて書いてありますか。支援金の対象は授業料だけです
- 途中でやめるとき、返金はどうなりますか。年払いの場合は、特に確かめます
注意:「入学すれば必ず卒業できる」「高校と一体」と説明する施設は、確かめる項目が残っています。資格を出すのは高校です。契約の前に、高校側にも同じ質問をしてください。
よくある質問
発達障害がある子は、サポート校のほうがいいですか
先に、高校の側の支援を聞いてください。ガイドラインは、高校に特別支援教育の体制づくりを求めています。
具体的には、校内委員会、特別支援教育コーディネーター、個別の指導計画です。「コーディネーターはいますか」「個別の指導計画を作りますか」と聞くと、体制が分かります。
そのうえで、通う場所や伴走が足りなければ、サポート校を足します。
サポート校なしで、通信制高校に通えますか
通えます。公立の通信制には、サポート校型の施設がそもそもありません。
要るかどうかは、上の3つの質問で確かめられます。
技能連携校とサポート校は、何が違いますか
違いは、そこでの学習が高校の単位になるかどうかです。
技能連携校は、都道府県の教育委員会が指定した技能教育施設です。学校教育法第55条で、そこでの学習を高校の教科の一部の履修とみなせます。
サポート校での学習は、それだけでは高校の単位になりません。単位は、高校のレポートとスクーリングと試験で取ります。
まとめ
- 高卒資格は通信制高校が出す。サポート校は民間の施設で、就学支援金は使えない
- 2021年から、高校が連携するサポート校は学則に載る。全国2,317施設、58%は評価が未実施
- 要るかどうかは3つの質問で。要らなければ、途中から入れる
- 学費補助は高校の授業料が対象。サポート校の受講料は、東京都の助成金でも対象外
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出典
- 高等学校通信教育規程(昭和37年文部省令第32号、令和3年改正)。第3条 通信教育連携協力施設(面接指導等実施施設・学習等支援施設)、第13条 自己評価、第14条 情報の公表
- 文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」(2026年4月21日公表)。連携協力施設4,341(面接指導等実施施設2,024・学習等支援施設2,317)、設置者別、在籍0人892施設、自己評価未実施2,398施設(58%)・未公表356施設(20.5%)、面接指導に1日も来ていない生徒2.6%、入学者のうち中3で不登校57%
- 文部科学省「私立広域通信制高等学校の設置認可等に関する調査結果及びこれを踏まえた対応について(通知)」(2024年4月23日)。連携協力施設での募集要項・費用表示
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(2026年6月16日)。支援の対象は授業料、私立通信制の上限33万7,200円
- 文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(令和5年2月一部改訂)。実施校と連携協力施設の関係の説明、施設の活動の受講が卒業に必ず必要かのような勧誘の禁止、授業料と施設の費用の区別、高校と誤解させる名称・看板、施設の職員に添削指導等を行わせることは不適切、特別支援教育の体制
- 文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」詳細検索用エクセル(令和7年5月1日時点)。学習等支援施設の都道府県別の数・在籍・在籍0人。集計は当サイトで実施
- 東京都生活文化局「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」。サポート校・技能教育施設等の受講料等は対象外
- 学校教育法第55条(技能教育施設での学習を教科の一部の履修とみなす)
- サポート校の費用は学校の公表例(第一学院高等学校)による

