通信制高校への転入は後悔する? 後悔が起きるのは「移ったこと」ではなく、遅れたことと型のミスマッチ
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いまの高校に行けていない。通信制に移る話が出ている。でも、移ったら後悔するのではないか。
そう思って検索した人に向けて書きます。
先に答えです。移ったこと自体を後悔して、また別の学校へ移る人は、数字の上ではごく少ないです。後悔が起きるのは、別の2つの場面です。
- 通信制の生徒の15%は、その年に転入してきた人。転入は通信制の主な入口
- 通信制からまた別の学校に移る人は1.4%。「合わなかった」が理由の人は、そのうち3割
- 後悔が起きるのは「移る時期を逃した」と「通う型が合わない」の2つ

先に答え:移ったことを後悔して戻る人は、ごく少ない
通信制高校の生徒のうち、その年に転入してきた人は平均15.4%です。文部科学省の委託調査の数字です(2022年度)。学校によっては、生徒の半分以上が転入生という所もあります。
転入は例外ではなく、通信制の主な入口の1つです。入学の動機でいちばん多いのは「人との関係がつらい」と「勉強が遅れた」です。合わせて74%でした。
行けなくなった人のために作られている学校だ、ということです。
「また移る人」は1.4%
では、通信制に移ったあとで「やっぱり違った」と、別の学校へ移る人はどれくらいか。生徒の1.4%です。
その理由でいちばん多いのは「進路変更」で41%です。次が「学校が合わない」で27%。
つまり「合わなくてまた移る」人は、生徒全体の0.4%ほどです。
もちろん、不満があっても移らずに残る人や、やめる人もいます。通信制から途中でやめる人は、1校あたり平均4.2%です。それでも「移ったこと自体が失敗」と言える数字ではありません。
後悔が起きる場面は、2つ
知恵袋やブログで語られる後悔を分けると、2つになります。移る時期を逃したこと。そして、通う型が合わなかったこと。
順に書きます。
場面1:移る時期を逃した
高校を卒業するには、74単位以上と、3年以上の在籍が要ります。
この二つは、前の学校の分を引き継げます。
引き継げるのは「もう付いた単位」だけです。単位は多くの学校で、年度の終わりに付きます。
だから、移る時期で引き継げるものが変わります。

高1の秋に移ると、まだ単位が付いていません。高1の分は、通信制で取り直すことになります。
高校2年の春なら、1年生の分の単位と在籍期間を持って移れます。
高3は、締め切りがあります。同級生と同じ春に卒業したいなら、先に聞くことがあります。残りの単位を1年で取れる学校かどうかです。
多くの学校で、秋以降は3月卒業の転入受付が終わります。締め切りは学校ごとに違います。「3月に卒業できる転入は、いつまでですか」と聞けば分かります。
「時期を逃した」の後悔は、この締め切りを知らずに過ぎたときに起きます。逆に言えば、知っていれば防げます。
場面2:通う型が合わなかった
「自己管理ができなかった」「友達ができなかった」「受験勉強が足りなかった」。この3つは、通信制の性質ではなく、選んだ学校の型の問題です。
通う回数は、週5日から年数回まで7種類あります。
1年間一日も登校しなかった生徒の半分は、年数回の集中型にいます。相談できる人がいるかどうかも、学校で差があります。
見分け方は、通信制高校はやめとけ? 言われる理由5つを数字で確かめて、やめたほうがいい学校の見分け方に、学校へ聞く5つの質問としてまとめました。
移る前に、この質問を学校に聞いてください。
「行けない学校に残る」にも、数字がある
移る後悔ばかりが語られますが、移らない選択にも数字があります。
高校で不登校になった生徒のうち、途中でやめた人は15.6%です。2024年度の文部科学省の調査です。
行けない学校に籍を置いたまま、卒業に近づかない時間が続く。そのとき、この数字に入りやすくなります。
移るかどうかの比べ方は「全日制のまま」と「通信制」ではありません。「行けない全日制に残る」と「通える通信制に移る」です。そう置き直すと、後悔の重さは変わって見えます。
転入と編入の違い
言葉が2つあるので、短く書きます。
- 転入:いまの高校に籍があるまま、別の高校へ移ること。単位と在籍を引き継げる
- 編入:いまの高校をやめたあとで、別の高校に入り直すこと。空白の期間が在籍に数えられない
いまの高校に行けていなくても、籍があるなら転入です。やめてから探すと編入になり、在籍の期間が途切れます。探すのは、やめる前にしてください。
学年別に、いま確かめること
高1の人
単位はまだ付いていません。移るなら、通信制で1年目から取り直す前提で、通う型を選びます。
急いで秋に移る理由は、単位の面では少ないです。行けない状態がつらいなら、その気持ちのほうを優先して構いません。
高2の人
1年分の単位を持って移れます。いまの学校の成績表で、付いた単位の数を確かめてください。
次に、高3の1年間で残りを取れるかを、移る先の学校に聞きます。
高3の人
締め切りが先です。「3月に卒業できる転入は、いつまでですか」を、候補の学校に電話で聞いてください。
間に合わない場合は、卒業が半年か1年ずれます。それでも、やめるより在籍を続けたほうが卒業には近いです。
KADOKAWAとドワンゴが運営する広域通信制です。対象は中学3年生から高校生・高校中退の人。資料を請求しても入学の義務はありません。PR
学費:転入しても、就学支援金は続く
国が授業料を支援する就学支援金は、転入しても続きます。前の学校で使った分と合わせて、通算74単位・通信制は48か月までが上限です。
私立の通信制は、年に33万7,200円まで支援されます。施設費やサポート校の費用は対象外です。
移る先には「1年間の総額」を聞いてください。
移る時期ごとの支援金の残りと、落とした単位の扱いは通信制高校への転入の費用で計算しました。
まとめ
- 転入は通信制の主な入口。移ったことを後悔してまた移る人は1.4%
- 後悔が起きるのは「時期を逃した」と「型が合わない」の2つ。どちらも先に聞けば防げる
- 比べるのは「行けない全日制に残る」と「通える通信制に移る」。やめる前に探す
出典
- 文部科学省委託調査「定時制・通信制の課程を置く高等学校について(令和5年度)」。2022年度間の転入者割合(通信制 平均15.4%、0〜76.2%)、入学動機(対人関係困難・学習困難 合計74.3%)、転学者割合(平均1.4%、0〜17.9%)と理由(進路変更41.4%、学校生活・学業不適応27.1%)、退学者割合(平均4.2%)
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月29日公表)。高校の不登校生徒67,782人のうち中途退学に至った者15.6%
- 文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」(2026年4月21日公表)。通学頻度別コースと、面接指導に1日も来ていない生徒の内訳
- 学校教育法 第56条(高等学校の修業年限3年)、高等学校学習指導要領 総則(卒業に必要な単位数74単位以上)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(2026年6月16日)。通算74単位・年30単位、通信制の支給期間48か月、私立通信制の上限33万7,200円

