通信制高校

N高の普通科と普通科ベーシックの違い|支援金が使えれば3年間の負担はどちらも19万9,000円。違うのはVRとAIの授業、普通科だけの4科目

N高の普通科と普通科ベーシック
杉野 一樹

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N高の「普通科」と「普通科ベーシック」は、何が違うのか。学費はいくら違うのか。どちらを選べばいいのか。

N高を考えている人と保護者、来年度に変えるか迷っている人に向けて、学校の募集要項と案内のページ、文部科学省の資料で確かめたことをまとめます。

先に答えです。普通科は、映像の授業に加えて、VR(ゴーグルをつけて入るバーチャル空間)やAIを使う授業と行事がある学び方です。普通科ベーシックは、映像の授業が中心です。どちらでも高校卒業の資格は取れます。

学費は、国の就学支援金が使える人なら、3年間でどちらも19万9,000円です。2026年度から支援金に所得制限がなくなり、普通科の授業料も全額まかなわれる範囲に入りました。

この記事で分かること
  • 普通科とベーシックの違いは、VRとAIの授業・行事、普通科だけの4科目、授業料の3つ
  • 授業料は1単位あたり普通科1万2,000円、ベーシック7,200円
  • 支援金が使える人なら、3年間の負担はどちらも19万9,000円
  • 高校を卒業した人などで支援金が使えないと、3年間で35万5,200円の差が出る
  • 普通科のVR機器は3種類。0円の機種もあり、卒業するともらえる
  • 変えられるのは年1回。4月生の2027年度分は、2027年1月15日まで
学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は進路の段階
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先に答え:違いは3つ。支援金が使えれば学費は同じ

N高グループでは、どのコースの生徒も入学のときに「普通科」か「普通科ベーシック」を選びます。学校は、この2つを「学び方」と呼んでいます。ネットコースでも、キャンパスに通うコースでも同じです。

2つの違いをまとめると、次のとおりです。

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項目 普通科 普通科ベーシック
授業の受け方映像の授業と、VRの授業映像の授業
AIやVRを使う授業・行事あるない
普通科だけの科目4科目ある選べない
授業料(1単位)1万2,000円7,200円
3年間の負担(支援金が使える人)19万9,000円19万9,000円
3年間の負担(支援金が使えない人)108万7,000円73万1,800円
VR機器学校が貸す。卒業するともらえるなし
高校卒業の資格取れる取れる

3年間の負担は、学校の2027年度の募集要項にあるネットコースの例です。キャンパスに通うコースは、そのコースの学費が別にかかります。

学校の案内ページによると、2026年度の新入生の7割が普通科を選びました。

学費:2026年度から、支援金が使えれば差がなくなった

N高の授業料は、取る単位の数で決まります。1単位あたり、普通科は1万2,000円、ベーシックは7,200円です。

授業料は、国の就学支援金で払う前提です。N高では、支援金で出る見込みの額を先に引いた学費が請求されます。学校はこれを「支給見込額の先引き」と呼んでいます。

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学年 普通科(先に引いた額) ベーシック(先に引いた額)
1年次7万3,000円7万3,000円
2年次6万3,000円6万3,000円
3年次6万3,000円6万3,000円
3年間19万9,000円19万9,000円

1年次に払うのは、入学金1万円、施設設備費5万円、教育関連諸費1万3,000円です。2年次と3年次は、入学金のない6万3,000円です。どちらも同じ額です。

普通科の授業料も、支援金でまかなえる理由

2026年度から、就学支援金に所得制限がなくなりました。文部科学省の資料では、私立の通信制高校の支援金の上限は1単位1万3,668円、1年で33万7,200円です。

N高の普通科の授業料は1単位1万2,000円なので、この上限の中に入ります(当サイトの照合)。1年に25単位取ると授業料は30万円で、これも年の上限より少ない額です。

2025年度までは、世帯の年収によって支援金が少なかったり出なかったりしました。その家庭では、普通科のほうが授業料の負担が大きくなりました。学校の2027年度の募集要項は、学費の例を「所得制限撤廃」が前提だと書いています。

通信制高校の支援金のしくみ全体は、通信制高校の学費にまとめました。

支援金が使えない人は、1単位4,800円の差がそのまま出る

次のどれかに当てはまる人は、支援金が出ません。授業料は自分で払います。

  • 高校を卒業した人
  • 高校に在籍した期間が、通算で48か月を超えている人
  • 高校で履修登録した(取ると届け出た)単位が、74単位を超えている人
  • 日本に住所がない人
  • 外国籍で、日本に住み続けると認められない人

この場合の3年間の学費は、募集要項の例で普通科108万7,000円、ベーシック73万1,800円です。差は35万5,200円です。1単位あたり4,800円の差が、74単位分あるためです(当サイトの計算)。

支援金が出る人でも、1年に31単位目からは支援金の外になります。落とした単位を取り直して74単位を超えた分も同じです。取り直しの費用は、N高のレポートにまとめました。

転入・編入の人は、まず授業料を含めて請求される

ほかの高校から移る転入や、高校をやめたあとに入り直す編入の人は、先引き(支援金の見込み額を先に引くこと)がありません。最初は授業料を含めた額で請求されます。

支援金は、入学したあとに申請して認められると、あとから支給されると学校は書いています。前の学校の在籍月数や履修単位によっては、支援金が減ります。

最初に払う授業料は、普通科のほうが1単位4,800円多くなります。転入・編入の流れと支援金の上限は、N高への転入・編入にまとめました。

授業と行事:AIとVRを使うものは普通科だけ

学校の「学び方変更案内」のページに、2つの学び方で使える授業と行事の表があります。

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授業・行事 普通科 ベーシック
必修授業(映像)○○
メンター(担任にあたる先生)○○
課外活動・部活動○○
必修授業(VR)○―
AI進路講座○―
AI活用ワークショップ○―
AI特別授業○―
スマート・チューター(英検の対策)○―
VR大学オープンキャンパス○―
バーチャル交流イベント○―
バーチャル体育祭○―
バーチャル修学旅行○―

卒業に要る授業は、どちらも映像で受けられます。メンターや部活動も、ベーシックで使えます。

学校は、普通科に変えてもVRの学習を無理にしなくてよいと書いています。映像の授業だけで単位を取ることもできます。

VRの授業の中身はN高の時間割に、バーチャルの体育祭や修学旅行はN高の行事にまとめました。

科目:普通科だけの4科目と、レポートの回数

募集要項には、学年ごとに取る科目の標準の組み方が載っています。2年次から、普通科とベーシックで少し変わります。

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項目 普通科 ベーシック
1年次の科目12科目(同じ)12科目(同じ)
2年次から選べる、普通科だけの科目Global Communication I・II、アカデミック・エッセイ実践、ビジネス学総合探究選べない
代わりに取る科目の例―日本史探究、地理探究、倫理
単位(1・2・3年次)25・24・2525・25・24
3年間の単位7474
3年間のレポート177回193回

普通科だけの4科目は、どれも2単位です。科目の名前から見ると、英語、文章、ビジネスを学ぶ科目です。

レポートの回数は、科目ごとの回数を当サイトで足した数です。ベーシックのほうが16回多くなります。ベーシックで取る日本史探究などは、普通科だけの科目よりレポートが多いためです。

科目ごとのレポートの数と締め切りは、N高のレポートにまとめました。

VR機器:0円の機種があり、卒業するともらえる

普通科を選ぶと、学校からVR機器(頭につけるゴーグル)が届きます。機種は3つから選びます。

機種 費用(2027年度)
Meta Quest 3S(128GB)0円
Meta Quest 3S(256GB)1万7,000円
Meta Quest 3(512GB)4万2,000円

費用は、学校が「機器手配特別費用」と呼ぶものです。機器を用意したり、サポートしたりする費用です。0円の機種を選べば、学費のほかにお金はかかりません。

機器の扱いは次のとおりです。

  • 在学中は学校から借りる形。普通科を卒業すると、そのままもらえる
  • 転校や退学、ベーシックへの変更のときは返す。返す送料は自分で払い、機器の費用は戻らない
  • 学校は、機種ごとの性能の説明はしていない。性能はMeta社のサイトで調べる

機器のほかに要るものは、映像の授業と同じくらいです。学校は、スマホだけでも普通科の授業を受けられると書いています。インターネットはWi-Fiで、通信の速さは最低10Mbps、学校のすすめは25Mbpsです。

変える時期:年1回だけ。次の年度から変わる

普通科とベーシックは、入学したあとも変えられます。変えられるのは1年に1回で、変えた学び方は次の年度から始まります。

入学した月 案内が来るころ
4月生12月〜1月
7月生5月〜6月
10月生7月〜8月
1月生10月〜11月

4月生が2027年度から変える場合、手続きの期限は2027年1月15日(金)です。

手続きは、次の順に進みます。

  1. 学校の「学び方変更案内」のページにあるフォームで申し込む
  2. メールで届く同意書に、1週間以内に電子署名する
  3. 次の年度の学費の請求が、変えたあとの額で届く

手続きが終わったあとは、取り消せません。普通科からベーシックへ変えると、VR機器を返す必要があります。

当サイトの考え:支援金が使えるかどうかで、決め方が変わる

支援金が使える人は、学費では差がつきません。VR機器も0円の機種があります。決め手は「AIやVRの授業と行事に参加したいか」だけです。

使うかどうか迷うなら、普通科のほうが使える物が多くなります。使わなくても、映像の授業で単位は取れます。ただし、あとでベーシックへ変えると機器を返す手間がかかります。

支援金が使えない人は、1単位4,800円の差がそのまま出ます。高校を卒業した人や、前の学校と合わせて単位や在籍の期間が上限を超える人です。AIやVRを使う予定がないなら、ベーシックを考える価値があります。

キャンパスに通うコースの学費は、どちらを選んでも支援金の外です。N高の学費の全体は、N高の学費にまとめました。

選ぶ前に確かめる4つ

N高の普通科と普通科ベーシックを選ぶ前に確かめる4つ。支援金が使えるか(高校を卒業していない・在籍48か月まで・74単位まで)、VR機器の機種(0円・1万7,000円・4万2,000円)、AIやVRの授業を使うか(使わなくても映像で単位は取れる)、変える時期(年1回・4月生は1月15日まで)
選ぶ前に確かめる4つ。お金と使い方を先に見ます。
  1. 支援金が使えるか(高校を卒業していない・在籍48か月まで・74単位まで)
  2. VR機器の機種(0円・1万7,000円・4万2,000円)
  3. AIやVRの授業を使うか(使わなくても映像で単位は取れる)
  4. 変える時期(年1回・4月生は1月15日まで)

よくある質問

Q. N高の普通科とは、どんな学び方ですか?

A. 映像の授業に加えて、VRやAIを使う授業と行事がある学び方です。普通科ベーシックは、映像の授業が中心です。学校は、この2つを「学び方」と呼んでいます。

Q. 普通科ベーシックでも、高校卒業の資格は取れますか?

A. 取れます。学校は、どちらを選んでも高校卒業の資格を取れると書いています。卒業に要る単位は、どちらも74単位です。

Q. 普通科を選んだら、VRを使わないといけませんか?

A. 使わなくても大丈夫です。学校は、普通科でも映像の授業で単位を取れると書いています。

Q. 普通科とベーシックは、途中で変えられますか?

A. 1年に1回、次の年度から変えられます。4月生の2027年度分は、2027年1月15日までに手続きします。

Q. 通学コースでも、普通科かベーシックを選びますか?

A. 選びます。学校は、ネットコースや通学コースなど、どのコースの生徒もどちらかを選ぶと書いています。

まとめ

  • 普通科は映像とVRの授業、ベーシックは映像の授業。どちらでも高校卒業の資格は取れる
  • 授業料は1単位あたり普通科1万2,000円、ベーシック7,200円
  • 2026年度から支援金に所得制限がない。支援金が使える人なら、3年間の負担はどちらも19万9,000円
  • 高校を卒業した人などで支援金が使えないと、3年間で35万5,200円の差
  • AIやVRを使う授業と行事、普通科だけの4科目があるのは普通科
  • VR機器は0円の機種もあり、卒業するともらえる。ベーシックへ変えると返す
  • 変えられるのは年1回。4月生の2027年度分は2027年1月15日まで

N高グループの資料は、無料で請求できます。

ネット×リアルで高卒資格+進路実現!KADOKAWA・ドワンゴが贈る通信制高校【N高等学校】

KADOKAWAとドワンゴが運営する広域通信制です。対象は中学3年生から高校生・高校中退の人。資料を請求しても入学の義務はありません。

出典

  • N高等学校・S高等学校・R高等学校(学校法人角川ドワンゴ学園)「2027年度 募集要項」p.1「学費[ネットコース]」(授業料、ネットコースの年間学費モデル、VR機器の機器手配特別費用)、p.2「高等学校等就学支援金・支給見込額の先引き」(支給条件、対象外の要件、先引きの適用外の要件)、p.4「教育課程について(標準履修モデル)」(科目、単位、レポートの回数)
  • N高等学校・S高等学校・R高等学校「『高等学校等就学支援金』および『支給見込額の先引き』について」。2026年11月8日確認
  • N高等学校・S高等学校・R高等学校「よくある質問」(普通科と普通科ベーシックの違い、変更)、「最先端ツールを活用した学校生活」(VR機器の貸与、通信環境)。2026年11月8日確認
  • 学校法人角川ドワンゴ学園「N高グループ 学び方変更案内」(普通科とは、学び方変更とは、普通科へ変更、普通科ベーシックへ変更、よくある質問)。授業・行事の比較表、VR機器、変更の時期と手順、2026年度新入生の7割。2026年11月8日確認
  • 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(2026年6月16日)。所得制限なし、私立通信制の上限 年33万7,200円・1単位1万3,668円、通算74単位・年30単位、48か月
  • 文部科学省「高等学校等就学支援金事務処理要領」(令和8年度)。単位制授業料の1単位あたりの支給限度額
  • レポートの回数、支援金の上限との照合、支援金が使えないときの差額は、当サイトの計算です
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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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