通信制高校

通信制高校の教員は1万9,081人。半数近くは週10時間未満の勤務です

通信制高校の教員。半数近くは週10時間未満
杉野 一樹

通信制高校で教えてみたい。求人を見て、働き方が気になっている。

この記事は、通信制で教える側に向けて書きます。

先に答えです。通信制高校の教員は1万9,081人です。

そのうち半数近くは、週10時間未満の勤務でした。

この記事で分かること
  • 教員は1万9,081人。講師などが教諭などより多い
  • 週40時間前後のフルタイムは34.1%。週10時間未満は47.4%
  • 主な勤務場所は、本校より面接指導の施設のほうが多い
  • 教えるには高校の教員免許が要る。講師も同じ
  • 教諭などの数は、生徒80人に1人以上と決まっている
学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は、教える側から見た「進路」の話です。

教員は1万9,081人。講師などが多い

文部科学省が、通信制のある高校323校を調べています。令和7年度の調査です。

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区分 公立 私立 株式会社立
教諭など2,124人6,181人706人
講師・助教諭905人9,043人122人
合計3,029人1万5,224人828人

教諭などには、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭を含みます。

全体では、講師などが1万70人です。教諭などより多くなっています。

私立では、講師などが教諭などの1.5倍います。

フルタイムは3人に1人

週あたりの勤務時間でも分けて集計されています。残業を除いた、辞令の上の時間です。

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週の勤務時間 教諭など 講師・助教諭
38時間45分〜40時間5,747人751人
30〜38時間45分未満1,344人342人
10〜30時間未満382人1,469人
10時間未満1,538人7,508人

週40時間前後で働く人は、全体の34.1%です。

週10時間未満の人は47.4%でした。

講師などに絞ると、74.6%が週10時間未満です。

教諭などでは、63.8%がフルタイムでした。

フルタイムの割合は、設置者でも違います。公立は48.8%、私立は31.8%でした。

株式会社立は21.9%です。

働く場所は、本校だけではない

主にどこで勤務しているかも調べられています。

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主な勤務場所 人数 割合
本校の通信制6,490人34.0%
面接指導等実施施設8,879人46.5%
学習等支援施設1,634人8.6%
同じ学校の全日制・定時制1,450人7.6%
その他628人3.3%

面接指導等実施施設は、スクーリングや試験を行う場所です。分校や協力校が基本とされています。

学習等支援施設は、相談や学習の支えを受け持つ場所です。

いちばん多いのは、本校ではなく面接指導の施設で働く人です。私立の講師などでは、65.8%がそうでした。

求人を見るときは、どこで働くかを必ず確かめてください。

仕事の中身は、添削・面接・試験

通信制の授業のやり方は、省令で決まっています。添削指導、面接指導、試験の3つです。

添削指導は、レポートを採点して返すことです。面接指導は、いわゆるスクーリングです。

同時に面接指導を受ける生徒は、40人を超えてはならないとされています。ただし当分の間は、特別な事情があれば例外も認められています。

生徒の側から見たレポートの量は、通信制高校のレポートは何回書くのかにまとめました。

教諭などの数は「生徒80人に1人」以上

教員の数にも決まりがあります。

教諭などの数は、5人か、生徒数を80で割った数の多いほう以上です。

たとえば生徒1万人の学校なら、125人以上になります。

この決まりは令和5年度に始まりました。

令和6年度までは、前の基準も認める経過措置がありました。

全国の通信制の生徒は、30万5,197人でした。

同じ年度の教諭など1人あたりに直すと、約34人です。兼任の人も含めて当サイトで計算しました。

教員免許は要る。講師も同じ

通信制高校は、学校教育法で定められた高等学校です。教えるには、高校の教員免許が要ります。

教育職員免許法は、教員は相当の免許状を持つ人でなければならないとしています。

講師にも、相当の免許状を持つ人を充てると定めています。教科ごとの免許なので、教える教科の免許が要ります。

サポート校のスタッフは別の扱い

サポート校は、法律上の学校ではありません。免許法の対象は、学校の教員です。

運営会社のスタッフには、この免許の決まりはかかりません(当サイトの整理)。ただし学校の教員として教えるなら、場所に関係なく免許が要ります。

サポート校の位置づけは通信制高校とサポート校の違いに書きました。

求人の入口と給与

公立と私立で、採用の入口が違います。

  • 公立:都道府県などの教育委員会が、選考で採用します(教育公務員特例法 第11条)
  • 私立・株式会社立:学校ごとに採用します

公立の採用は教育委員会の選考です。通信制で働けるかは、配属しだいと考えられます(当サイトの読み)。

給与について、公立の教員は条例で定めると法律に書かれています(同法 第13条)。

今回の国の実態調査に、給与の項目はありません。私立の給与は、学校ごとの求人票で確かめてください。

「やめとけ」と言われる前に、形を分けて見る

ネットでは「通信制の教員はやめとけ」という声も見かけます。

数字で見ると、働き方の幅がとても広いことが分かります。フルタイムの教諭もいれば、週10時間未満の講師もいます。

同じ「通信制の教員」でも、雇用の形で中身が変わります。一括りに良い悪いは言えません(当サイトの読み)。

相談を受ける職の配置

生徒の相談を受ける職の配置も調べられています。

スクールカウンセラーに相談できる体制がある学校は、323校のうち273校です。

スクールソーシャルワーカーでは、124校でした。

カウンセラーなどの仕事は、不登校支援の仕事と資格にまとめています。

応募する前に確かめる4つ

通信制高校の教員に応募する前に確かめる4つ。教諭か講師か(講師などの4人に3人は週10時間未満)、週の勤務時間(辞令上の時間を求人票で見る)、主な勤務場所(本校か、面接指導の施設か)、免許の教科(高校の教員免許が要る)
応募する前に確かめる4つ。同じ通信制の教員でも、雇用の形で中身が変わります。
  1. 教諭か講師か(講師などの4人に3人は週10時間未満)
  2. 週の勤務時間(辞令の上の時間を求人票で見る)
  3. 主な勤務場所(本校か、面接指導の施設か)
  4. 免許の教科(高校の教員免許が要る)

よくある質問

Q. 教員免許がなくても働けますか。

A. 通信制高校の教諭や講師には、高校の教員免許が要ります。サポート校の運営会社のスタッフは、別の扱いです。

Q. フルタイムの教員は多いですか。

A. フルタイムは全体の34.1%です。教諭などに限ると63.8%でした。

Q. 受け持つ生徒の数に決まりはありますか。

A. 上限は、教諭などひとりにつき生徒80人です。全国では約34人でした(当サイト計算)。

Q. 給与は公表されていますか。

A. 国の実態調査に給与の項目はありません。私立は学校ごとの求人票で確かめます。

まとめ

  • 通信制高校の教員は1万9,081人。講師などが教諭などより多い
  • 週40時間前後のフルタイムは34.1%、週10時間未満は47.4%
  • 主な勤務場所は、面接指導の施設が46.5%で本校より多い
  • 教諭も講師も、高校の教員免許が要る
  • 教諭などの数は、生徒80人に1人以上。全国では1人あたり約34人

出典

  • 文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」(2026年4月21日公表)。調査対象323校(公立81・私立227・株式会社立15)、令和7年5月1日現在。教諭等9,011人・講師及び助教諭10,070人(設置者別)、専任・兼任の別、週当たりの勤務時間別(辞令等で定める正規の勤務時間)、主な勤務場所別、スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている学校273校・スクールソーシャルワーカー124校。割合は同資料の人数から当サイトで計算
  • 高等学校通信教育規程 第2条(添削指導、面接指導及び試験)、第4条の2(同時に面接指導を受ける生徒数は40人を超えない)、第5条(教諭等の数は5または在籍生徒数を80で除した数のいずれか大きい方以上)、附則(令和5年4月1日施行、令和7年3月31日までの経過措置)
  • 教育職員免許法 第2条(教育職員の定義)、第3条(相当の免許状、講師への相当免許状を有する者の充当)
  • 教育公務員特例法 第11条(公立学校の教員の採用は選考による)、第13条(給与は条例で定める)
  • 文部科学省「令和7年度学校基本調査」。通信制の生徒数305,197人。教諭等1人あたりの生徒数は当サイトで計算
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杉野 一樹(ペンネーム)
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不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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