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大分の通信制高校。県立爽風館は福岡・熊本からも入れます

杉野 一樹

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大分で通信制高校を探すと、県立と私立が出てきます。県外に住んでいる人も、大分の学校が候補に入ることがあります。

先に答えです。大分県立爽風館高校は、福岡県と熊本県も区域に入れています。

文部科学省の一覧に載っている公立81校のうち、こういう広い区域を持つのは2校だけです。もう一校は茨城県立水戸南高校です。

つまり大分の公立は、県外からも入れる珍しい学校です。この記事では、文部科学省の一覧を1件ずつ数えた結果を出します。

学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は進路の段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「進路」の、大分の話です。

大分の通信制は、本校4校と拠点37か所でできている

通信制高校には2つの場所があります。学校そのもの(本校)と、生徒が通う拠点です。

大分県に本校を置く通信制は4校です。

県立が1校、私立が3校あります。

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学校 設置 所在地 定員/在籍
県立爽風館公立大分市上野丘1,214/1,214
府内私立大分市金池南380/204
藤蔭私立日田市田島本町240/43
稲葉学園私立竹田市40/14

4校を合わせた在籍は1,475人です。

私立3校はどこも福岡県まで区域に入れているので、県境をまたいで通う人がいます。

もうひとつが拠点です。正式には通信教育連携協力施設といい、県内に37か所あります。本校が県外の学校でも、拠点が大分にあれば県内から通えます。

この2つの違いは近くの通信制高校はどう探す?にまとめました。

公立で広い区域なのは、全国に2校だけ

文部科学省の「分かる・見つかる通信制高等学校」に載っている公立81校について、区域を1校ずつ確かめました。

広い区域を持つ公立は、2校しかありませんでした。茨城県立水戸南高校と、大分県立爽風館高校です。

水戸南は福島・茨城・栃木・埼玉・千葉が区域です。爽風館は福岡・熊本・大分です。

栃木側の学校は栃木の通信制高校にまとめました。

残り79校はすべて狭い区域で、基本は自分の県に住んでいる人しか入れません。

県によっては隣の県までを区域に含めますが、それでも2県か3県です。

大分の県立は、福岡県や熊本県に住んでいても入れます。これは公立ではかなり珍しい条件です。

公立を選ぶ理由はいくつかありますが、一番大きいのは学費です。公立の通信制は授業料が低く、就学支援金を使えば実質的にかからないことが多くなります。

県境の近くに住んでいる人ほど、この条件は効きます。福岡県の南部や熊本県の北部からなら、大分市まで出る距離が現実的な範囲に入ることがあるからです。

公立の中身は公立の通信制高校はどんなところ?にまとめました。

爽風館は、定員と在籍が同じ数で届けられている

爽風館の数字を見ると、ひとつ目につくところがあります。定員1,214人に対して、在籍も1,214人です。

この一覧の公立81校を並べると、定員と在籍がぴったり同じなのは爽風館だけでした。ほかの80校はどこかに差があります。

会場も同じです。爽風館は大分市の本校のほかに、県立高校4校を会場にしています。

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会場 市 定員/在籍
県立中津南中津市113/113
県立日田日田市55/55
県立日田林工日田市55/55
県立佐伯鶴城佐伯市49/49

4か所とも、定員と在籍が同じ数です。

これをどう読むかは注意が必要です。満員で入れない、という意味とは限りません。定員の欄に実際の人数を入れて届け出ている可能性があります。

実際、もう一校の広域公立である水戸南は、定員1,260人に対して在籍916人です。同じ書式でも書き方が違います。

つまり、この数字から空きの有無は判断できません。入れるかどうかは学校に直接聞いてください。願書の時期と一緒に確かめるのが早いです。

会場が4か所あることは、通う人にとって大きい情報です。大分市まで出なくても、中津・日田・佐伯でスクーリングを受けられます。

37か所のうち7か所は、定員を超えている

県内の拠点37か所を一件ずつ数えました。

面接指導ができるのが23か所、学習等支援施設が14か所です。

在籍の合計は1,260人、在籍のない拠点は11か所でした。

そして7か所が定員を超えていました。全体の18.9%です。

全国で見ると、4,340か所のうち定員超過は360か所です。

割合は8.3%で、大分はその2倍以上あります。

拠点が20か所以上ある都道府県で並べると、大分は4位でした。

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順位 都道府県 定員超過の割合
1位山口20.5%
2位栃木19.7%
3位宮崎19.4%
4位大分18.9%

超過している7か所の中身を見ると、偏りがあります。

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拠点 本校 定員/在籍
大分学習センター勇志国際150/271
コンパルホール未来62/103
大分南学習センター事務所未来53/88
トライ式高等学院大分鹿島朝日40/47
大分北学習センター事務所未来20/37

このほか未来高校の拠点が2か所あります。

  • 宇佐文化会館ウサノピア:10人に対して19人
  • 不老泉:10人に対して18人

7か所のうち5か所が未来高等学校です。

未来高校は全国に60か所の拠点を持ち、そのうち31か所が定員を超えています。この話は松山・愛媛の通信制高校にも書きました。

一番大きいのは勇志国際の大分学習センターで、定員150人に対して271人です。

1.8倍にあたります。

定員超過は「人気がある」とも読めますが、選ぶ側から見ると別の意味もあります。生徒の数に対して先生が足りているかどうかです。

会場が公共施設のとき、そこに先生が常駐しているとは限りません。見学のときに、普段いる先生の人数を聞いてください。

学費。大分には県の上乗せがあるが、判定は月額

通信制の学費は、国の就学支援金でかなり下がります。ここは全国共通です。

そのうえで、県が独自に上乗せしている地域があります。大分はどうか確かめました。

大分県には私立高等学校授業料減免支援制度があります。令和2年度に始まった県独自の制度です。

県が上乗せする額は、次のとおりです。

  • 対象:年収約590万円から910万円の世帯
  • 上乗せ:月額10,000円
  • 合計:国の就学支援金9,900円と合わせて19,900円

ここまでは良い話です。ただし条件を読むと、注意が要ります。

対象になる要件は「高等学校等就学支援金の認定月額が9,900円であること」です。

もう一つの区分も「授業料月額が33,000円を超える私立学校」という書き方です。住民税非課税世帯が対象で、月額2,000円になります。

どちらも月額の授業料を前提にした書き方です。通信制の就学支援金は、月額ではなく単位ごとに計算されます。

だから「大分には上乗せがあるから安くなる」と決めつけて計算すると、ずれる可能性があります。自分が該当するかどうかは、入ろうとしている学校か県の学事・私学振興課に確認してください。

県ごとの補助の違いは通信制高校の学費が安いのはどこ?にまとめています。

大分市の相談先

学校を選ぶ前に、相談できる場所があります。

大分市教育センターには、教育支援教室「フレンドリールーム」があります。学校に行きたくても行けない子どもが通える場所です。

同じセンターの教育相談担当班が、電話と来所の相談を受け付けています。

県には子ども・若者総合相談センターがあり、高校を中退したあとの相談も受け付けています。

学校を決めてから相談するより、決める前に相談したほうが選択肢が増えます。進路の書類や出席の扱いは、いま在籍している学校を通したほうが早く進むことが多いからです。

決める順番

ここまでの内容を、確かめる順に並べました。

大分で通信制を選ぶ前に確かめる5つ。県外に住んでいてもまず県立を調べたか、会場が4か所あることを知っているか、その拠点の定員と在籍を見たか、先生が何人いるか聞いたか、県の上乗せ補助を当てにして計算するのは注意
県外に住んでいても、大分は県立を先に調べる価値があります。

順番はこうです。まず県立が使えるかを確かめる。次に会場の場所を見る。

そのうえで私立の拠点と比べます。

大分ではこの順番が効きます。県立が県外の人まで受け入れていて、しかも会場が4か所に分かれているからです。

問い合わせで聞くこと

  • 県外に住んでいても出願できますか(爽風館の場合)
  • どの会場でスクーリングを受けられますか
  • この拠点はいま何人が在籍していますか
  • 県の上乗せ補助は通信制でも対象になりますか

まとめ

大分の通信制について、数えてわかったことを並べます。

県立爽風館は福岡県・熊本県も区域に入れています。この一覧の公立81校のうち、広い区域を持つのは水戸南と爽風館の2校だけです。

爽風館は本校も会場4か所も、定員と在籍が同じ数で届けられています。公立でこうなっているのはこの1校だけでした。ただし空きの有無は学校に確認が必要です。

拠点の定員超過は、次のとおりです。

  • 県内の拠点37か所のうち7か所
  • 割合は18.9%で、全国平均8.3%の2倍以上、全国4位
  • 超過7か所のうち5か所は未来高校

県には月10,000円の上乗せ補助がありますが、判定は月額の授業料を前提にしています。

資料を集めるところから始めるなら、広い区域の学校もひとつ見ておくと比べやすくなります。

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数字は文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」の詳細検索用エクセルをもとに集計しました。2025年5月現在の数字です。

学費は大分県「私立高等学校等の授業料支援制度」によります。

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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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