都道府県別

和歌山の通信制高校。全国から入れる学校が3校ありますが、県内の8割は県立にいます

杉野 一樹

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和歌山で通信制高校を調べると、聞いたことのない学校の名前が出てきます。全国向けに生徒を集めている学校が、和歌山にあるからです。

先に答えです。和歌山には、全国どこからでも入れる通信制が3校あります。東京と同じ数です。

ただし、和歌山に住んでいる人が実際に通っているのは、そこではありません。多くは県立3校にいます。

県内の在籍1,846人のうち、82%が県立です。

この記事では、文部科学省の一覧を1校ずつ数えた結果を出します。

学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は進路の段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「進路」の、和歌山の話です。

和歌山の通信制は、本校7校と拠点16か所でできている

通信制高校には2つの場所があります。学校そのもの(本校)と、生徒が通う拠点です。

和歌山県に本校を置く通信制は7校です。

県立が3校、私立が4校あります。

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学校 設置 所在地 在籍
県立きのくに青雲公立和歌山市821
県立伊都中央公立橋本市349
県立南紀公立田辺市344
慶風私立紀美野町209
和歌山信愛私立和歌山市82
高野山私立高野町29
和歌山南陵私立日高川町12

7校を合わせた在籍は1,846人です。

もうひとつが拠点です。正式には通信教育連携協力施設といい、県内に16か所あります。本校が県外の学校でも、拠点が和歌山にあれば県内から通えます。

この2つの違いは近くの通信制高校はどう探す?にまとめました。

全国どこからでも入れる学校が、3校ある

通信制には「区域」があります。どこに住んでいる人を受け入れるか、という範囲です。

文部科学省の一覧で、区域の欄が「47都道府県」になっている学校を数えました。

全国323校のうち73校です。

これを県ごとに並べると、和歌山の位置がわかります。

都道府県 全国区の学校数
茨城・千葉・岡山・沖縄各5校
北海道4校
東京・和歌山・山口各3校

和歌山には3校あります。東京と同じ数です。和歌山県の人口は約90万人なので、人口あたりで見ればかなり多いことになります。

3校は和歌山南陵高校、高野山高校、慶風高校です。どれも和歌山市ではなく、山あいや南部にあります。

ただし、定員2,100人に対して在籍は250人

同じ一覧には、定員と在籍も載っています。3校の数字を並べます。

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学校 定員 在籍 埋まっている割合
和歌山南陵900121.3%
高野山900293.2%
慶風30020969.7%

3校を合わせると、定員は2,100人です。

これに対して、在籍は250人です。割合にすると11.9%になります。

全国73校を、埋まっている割合の低い順に並べました。

和歌山南陵は2位、高野山は4位でした。

最も低いのは山口の萩明倫館高校で、定員480人に対して5人です。

ここを読み違えないでください。埋まっていないことは、学校が悪いという意味ではありません。

意味があるのは別のところです。定員の枠が大きくても、実際にいる人数は別だということです。

たとえば「900人の学校」と聞くと、行事があって同級生が大勢いる学校を想像します。でも在籍12人なら、その想像とはかなり違います。

規模を期待して選ぶなら、定員ではなく在籍を聞いてください。「今年は何人入りましたか」「スクーリングには何人来ますか」の2つで、だいたい見当がつきます。

和歌山の子の8割は、県立3校にいる

県内の在籍1,846人を、公立と私立で分けます。

公立が1,514人、私立が332人でした。

公立が82.0%です。

県立は3校あります。在籍は次のとおりです。

  • きのくに青雲(和歌山市):821人
  • 伊都中央(橋本市):349人
  • 南紀(田辺市):344人

県内が南北に長い土地なので、3校が和歌山市・橋本市・田辺市に分かれているのは大きい意味があります。紀南から和歌山市まで出るのは、片道で相当な時間がかかるからです。

県立を選ぶ理由は学費です。公立の通信制は授業料が低く、就学支援金を使えば実質的にかからないことが多くなります。

ひとつ補足があります。伊都中央と南紀は、一覧の定員欄が空欄でした。定員欄が空欄の学校は全国に14校あり、和歌山はそのうち2校です。

だからこの2校については、空きがあるかどうかを一覧から読むことはできません。学校に直接聞いてください。

公立の中身は公立の通信制高校はどんなところ?にまとめました。

拠点は16か所。13か所が和歌山市

県内の拠点16か所を、一件ずつ数えました。在籍の合計は259人です。

面接指導ができるのが9か所、学習等支援施設が7か所です。

在籍0人の拠点は6か所でした。

市町村別に分けると、偏りがはっきりします。

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市町村 拠点 在籍
和歌山市13か所247人
西牟婁郡白浜町2か所12人
伊都郡高野町1か所0人

16か所のうち13か所が和歌山市です。

紀南から通える私立の拠点は、白浜町の2か所しかありません。

在籍が多い拠点は次のとおりです。

  • 慶風高校の国際アークビジネス学校(和歌山市):109人
  • 精華学園の和歌山学習センター:67人
  • YMCA学院の和歌山センター:20人

もうひとつ特徴があります。定員を超えている拠点は、1か所もありませんでした。

県によってはここが大きく違います。たとえば大分は37か所のうち7か所が定員超過でした。この話は大分の通信制高校に書きました。

和歌山は混んでいません。ただし数が少ないので、家から通える範囲に拠点があるかどうかが先に効きます。

学費。和歌山には「早期給付」がある

通信制の学費は、国の就学支援金でかなり下がります。ここは全国共通です。

そのうえで確かめたいのが、授業料以外のお金を助ける「奨学のための給付金」です。返さなくていいお金です。

和歌山の額はこうなっています。

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世帯 全日制・定時制 通信制
生活保護受給52,600円52,600円
非課税152,000円52,100円
低所得50,670円17,370円

非課税世帯で比べると、全日制の152,000円に対して通信制は52,100円です。これは国の制度としてそうなっています。

和歌山で見落としやすいのが、申請の時期です。

通常の申請は7月から3月分が対象です。

それとは別に、入学した年に限って4月から6月分を前倒しで受け取れる「早期給付」があります。

つまり、入学した年は2回申請します。

  • 4月から6月分:早期給付
  • 7月以降:通常申請

早期給付だけ出して通常申請を忘れると、7月分以降が出ません。

お金が一番かかるのは入学直後です。この制度があることは知っておいてください。

県ごとの補助の違いは通信制高校の学費が安いのはどこ?にまとめています。

和歌山市の相談先

学校を選ぶ前に、相談できる場所があります。

和歌山市には市立子ども支援センターがあり、「ふれあい教室」という適応指導教室を置いています。学校に行きづらい子どもが通える場所です。

同じセンターで、来所と電話の相談も受け付けています。学校のことでも、子育てのことでも相談できます。

県には子ども・若者総合相談窓口があり、高校を中退したあとの相談も受け付けています。

学校を決めてから相談するより、決める前に相談したほうが選択肢が増えます。進路の書類や出席の扱いは、いま在籍している学校を通したほうが早く進むことが多いからです。

決める順番

ここまでの内容を、確かめる順に並べました。

和歌山で通信制を選ぶ前に確かめる5つ。その学校にいま何人いるか聞いたか、県立3校を先に調べたか、その拠点が和歌山市以外にもあるか調べたか、スクーリングの場所と回数を聞いたか、奨学給付金の早期申請を見落とすのは注意
定員ではなく、いま何人いるかを聞いてください。

順番はこうです。まず県立3校のどれが近いかを見る。次に私立の拠点が通える場所にあるかを見る。

そのうえで、候補の学校に「いま何人いますか」を聞きます。和歌山ではこの質問が特に効きます。

問い合わせで聞くこと

  • 今年は何人が入学しましたか
  • スクーリングには何人くらい来ますか
  • スクーリングの場所はどこですか
  • 奨学給付金の早期給付は使えますか

まとめ

和歌山の通信制について、数えてわかったことを並べます。

全国どこからでも入れる学校が3校あります。東京と同じ数です。

ただし3校の定員は2,100人です。

これに対して、在籍は250人でした。定員の枠と実際の人数は別のものです。

県内の在籍1,846人のうち、82.0%は県立にいます。

県立3校のきのくに青雲・伊都中央・南紀は、和歌山市・橋本市・田辺市に分かれています。

拠点は16か所で、そのうち13か所が和歌山市です。定員を超えている拠点は一か所もありませんでした。

奨学給付金には、入学した年だけ使える早期給付があります。通常申請と2回に分かれる点に注意してください。

資料を集めるところから始めるなら、広い区域の学校もひとつ見ておくと比べやすくなります。

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数字は文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」の詳細検索用エクセルをもとに集計しました。2025年5月時点の数字です。

学費は和歌山県「令和8年度和歌山県高校生等奨学給付金」によります。

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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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