N高にいじめはある?学校は件数を公表していない。全国の高校で多いいじめの中身と、N高のいじめ防止の決まり・Slackのルール、困ったときの相談先
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N高にいじめはあるのか。ネットの学校なら、いじめは起きないのか。困ったときは、誰に言えばいいのか。
前の学校でつらい思いをして、N高を考えている人と保護者に向けて、学校の公開資料と国の調査で確かめられることをまとめます。
先に答えです。N高でも、いじめは起こりえます。学校のいじめ防止の決まりも、ネットでのいじめを含めて「いじめ」としています。ただ、学校はいじめの件数を公表していません。そのため、この記事では「件数」ではなく、学校の決まりと相談先、人と関わる場面を見ていきます。
- N高は、いじめの件数を公表していない。学校の評価の報告書にも載っていない
- 全国の高校で多いいじめは、悪口やからかい。ネットでの中傷は13.9%で、小学校・中学校より割合が高い
- N高の決まりでは、レポートが出せなくなることも、重い事態の目安に入っている
- Slack(学校のチャットのアプリ)では、悪口やしつこいDM(1対1のメッセージ)は禁止。違反すると停学や退学もある
- スクールカウンセラーに話したことは、本人の許可なくメンター(担任にあたる先生)にも伝わらない
- ネットコースで必ず人と会うのは、3年間で22〜26日のスクーリング(対面の授業)

先にN高グループの資料請求ページを見たい人は、こちらからどうぞ。
KADOKAWAとドワンゴが運営する広域通信制です。対象は中学3年生から高校生・高校中退の人。資料を請求しても入学の義務はありません。
先に答え:いじめは起こりうる。件数は公表されていない
N高は、「いじめ防止に関する基本方針」を学校のサイトで公開しています。そこでは、いじめを次のように決めています。
- 同じ学校の生徒などがする、心や体に影響を与える行為
- インターネットを通じた行為も含む
- された側が、心や体に苦しさを感じているもの
これは、国の法律(いじめ防止対策推進法)と同じ決め方です。方針には、さらに次の一文があります。した側に悪気がなくても、された側が嫌な思いやつらい思いをしたら、いじめにあたると考える。
つまり、N高の決まりは「ネットの学校だから、いじめは無い」という前提に立っていません。ネットでのいじめも、はじめから数に入れています。
では、N高でいじめは何件あるのか。学校は件数を公表していません。当サイトでは、学校が公開している自己点検・評価の報告書を、平成28年度から令和7年度までの10年分、すべて確かめました。どの年にも、「いじめ」という言葉は出てきませんでした。
件数で比べられないので、「N高はいじめが少ない」とも「多い」とも言えません。この記事では、代わりに次の3つを見ていきます。
- いじめが起きたとき、学校が何をすると決めているか
- 困ったとき、誰に相談できるか
- 人と関わる場面が、どこにどれだけあるか
全国の高校では、どんないじめが多いか
先に、全国の数字を見ておきます。文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」です。
全国の高校で、学校がいじめと認めた件数は1万8,891件でした。生徒1,000人あたり5.9件です。小学校(101.9件)や中学校(42.6件)より、ずっと少なくなっています。
中身は、次のとおりです(1つのいじめに、いくつも当てはまることがあります)。
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| いじめの中身 | 小学校 | 中学校 | 高校 |
|---|---|---|---|
| 冷やかし・からかい・悪口・脅し文句 | 57.5% | 63.3% | 62.0% |
| 仲間はずれ・集団で無視 | 12.2% | 8.5% | 15.5% |
| 軽くぶつかる・叩く・蹴る | 24.5% | 14.8% | 8.5% |
| パソコンや携帯電話で中傷・嫌なこと | 1.9% | 9.3% | 13.9% |
高校でいちばん多いのは、悪口やからかいです。次が、仲間はずれや無視です。パソコンや携帯電話での中傷は13.9%で、小学校や中学校より割合が高くなっています。全国で見ると、ネットでのいじめの件数は増える傾向が続いています。
当サイトの読みでは、N高で気をつけたいのも、この「言葉」と「ネット」のいじめです。N高は、生徒どうしのやり取りの多くがネットで行われます。特にネットコースは同じ教室で毎日過ごさないので、叩く・蹴るといったいじめは起きにくい形です。その分、チャットでの悪口や仲間はずれ、しつこいメッセージに目を向ける必要があります。
N高で人と関わる場面:必ずあるのはスクーリングだけ
N高で、生徒どうしが関わる場面を並べると、次のとおりです。
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| 場面 | 参加 | 中身 |
|---|---|---|
| スクーリング(対面の授業) | 必修 | 毎年。1年次・3年次は7〜8日、2年次は全国の会場に4〜5日と沖縄の本校に4〜5日(4泊5日) |
| Slackの学校からの連絡 | 使う | 学校からの全体の連絡、メンター(担任にあたる先生)との連絡 |
| Slackの雑談・趣味のチャンネル | 自由 | 趣味は約60、ゲームはタイトルごとに約70のチャンネル |
| Slackのホームルーム(ネットコース) | 任意 | メンターや仲間との交流、学校からの連絡 |
| 部活・同好会 | 任意 | 主にSlackなどを使って、ネットで活動 |
| 年間のイベント | 任意 | 文化祭(磁石祭)など |
| 週5・週3・週1+コース | 選んだ人 | キャンパスに通い、クラスで学ぶ |
ネットコースで必ず人と会うのは、スクーリングだけです。日数は、3年間で合わせて22〜26日です。2年次の本校スクーリングは、沖縄の伊計島に泊まりがけで行きます。日数と費用は、N高のスクーリングにまとめました。
Slack(チャットのアプリ)は、学校からの連絡やメンターとの連絡に使います。一方で、雑談や趣味のチャンネルに入るかどうかは、自分で決められます。学校の「ICTツールの活用」のページには、目的ごとのチャンネルに「自由に参加できます」と書かれています。ホームルームも部活も、参加は任意です。
当サイトの読みでは、N高で変わるのは、人と関わる量を自分で選べることです。毎日同じ教室で、同じ人と過ごすことはありません。関わる場面を少なくすることも、増やすこともできます。ただし、Slackのチャンネルに多く入るほど、ネットでのやり取りも増えます。
友だちはできるか
学校のよくある質問では、スクーリングは「友だちづくりの場」になっていると書かれています。ガイダンスやグループワークなど、話すきっかけがあるそうです。同じ学校の友だちと同じ日に予約すれば、一緒にスクーリングに参加することもできます。
Slackには、趣味やゲームのチャンネルがあります。部活や同好会も、多くはネットで活動しています。顔を合わせるのが苦手な人は、文字のやり取りから始めることもできます。
ただ、友だちができるかどうかは、学校の仕組みだけでは決まりません。関わる場面を選べる分、自分から入らなければ、人と話す機会は少ないままです。
N高のいじめ防止の決まり:学校がすること
N高の「いじめ防止に関する基本方針」は、2016年10月に作られ、2018年4月に改められました(2026年11月7日に学校のサイトで確認した版)。学校がすると決めていることを、表にまとめます。
| 時期 | 学校がすること |
|---|---|
| 起きる前 | 生徒向けのいじめのアンケートを、年2回ほど行う |
| 起きる前 | 通報・相談の窓口や、スクールカウンセラーなどを使えるようにする |
| 普段 | 生徒指導の会議で、月に2〜3回、いじめの防止について話し合う |
| 相談があったとき | 会議をすぐに開き、そのクラスの担任も加わる。すみやかに事実を確かめる |
| いじめが分かったとき | いじめをやめさせる。された生徒と保護者を支え、した生徒を指導し、その保護者に助言する |
| 必要なとき | した生徒に、しばらくの間、いつもと違う方法・場所・期間で学習させる |
| 犯罪にあたるとき | 警察と連携する |
この中で、通信制の学校らしいのは「した生徒に、違う方法・場所・期間で学習させる」という決まりです。された生徒が安心して学ぶために、した生徒の学び方の方を変えます。N高は、ネットでも通学でも学べる学校なので、この方法をとりやすいと考えられます。
「レポートが出せない」も、重い事態の目安に入っている
いじめで、生徒の命や心身に大きな被害が出た疑いがあるとき。または、長く学校を休まなければならない疑いがあるとき。国の法律では、これを「重大事態」と呼びます。学校は、そのいじめについて調べなければなりません。
N高の方針では、この目安が次のように書かれています。
相当の期間学校を欠席、もしくはレポート提出が困難となることを余儀なくされている等の疑いがある場合
法律にあるのは「欠席」だけです。N高は、そこに「レポートが出せなくなること」を足しています。通信制の学校は、毎日登校するわけではありません。休んでいても、欠席としては見えにくい学校です。そのため、レポートが止まることも、いじめで追い込まれているサインとして扱っていると読めます。
重大事態のときは、「いじめ防止対策会議」を作って調べます。会議には、校長や担任のほか、スクールカウンセラーか外の専門家が加わります。調べた結果は、された生徒と保護者に説明し、本校がある沖縄県の知事に報告します。
保護者の方は、子どものレポートが急に止まったら、それもサインの1つと考えてください。保護者用の学校のアプリ「N Lobby」では、レポートの進み具合を見られます。
Slackのルール:悪口やしつこいDMは禁止
N高グループ(N高・S高・R高)では、生徒どうしの連絡にSlack(チャットのアプリ)を使います。学校は「Slack利用ポリシー」を公開しています(2016年6月に作られ、2024年4月1日に最後に改められた版)。いじめに関わるところを抜き出します。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 認められない投稿の例 | 悪口・侮辱・脅し・いやがらせ。特定の人へのしつこいDM。ほかの人の名前をかたる「なりすまし」。チャットの中身を外のSNSに出すこと |
| 投稿の削除 | 認められない投稿は、スタッフの判断で消すことがある |
| アカウントの制限 | チャンネルの削除、使えるチャンネルの制限、一時停止、無期限の停止 |
| 学校の処分 | 注意・停学・退学など。処分は記録され、就職や進学の書類に書かれることがある |
| 外のSNS | Slackの外のSNSやブログでも、重い違反があれば同じように扱う |
| DMの記録 | DMや非公開のチャンネルの記録は、2024年4月1日以降の投稿なら、学校が見たり消したりする対象になる |
| 先生の名前 | 表示名の「mentor_」「staff_」「teacher_」「ta_」は、教職員しか使えない |
DMの記録の決まりは、学校がいつもDMを見ている、という意味ではありません。ポリシーにあるのは、不適切な使い方を調べるときなどに、学校が記録を見ることができる、という決まりです。DMでいやなことをされても、二人だけのやり取りだから学校は調べられない、ということにはなりません。
また、先生やスタッフの表示名には、決まった言葉が付きます。先生を名乗るメッセージが来たら、名前の頭を見てください。
「当事者同士で解決」の原則と、いじめの決まりの関係
Slackのポリシーには、もう1つ大事な一文があります。自分の投稿で誰かを傷つけたり、トラブルになったりしたときは、「当事者同士で解決することを原則とします」と書かれています。
ここだけを読むと、学校は動いてくれないように見えます。でも、いじめの方針では、された側がつらいと感じたら、いじめにあたります。いじめなら、学校が事実を確かめ、した側を指導すると決めています。
当サイトの読みでは、つらいときは「言い合い」で終わらせずに、「つらい」と学校に伝えることが大事です。方針では、いじめの相談を受けたら、学校はすみやかに事実を確かめると決めています。
困ったときの相談先:誰に伝わるか
学校の中と外に、相談先があります。どこに話すと、誰に伝わるかで分けました。
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| 相談先 | どんなとき | 伝わり方 |
|---|---|---|
| メンター | 最初の相談先。ネットでの生徒どうしのトラブルも、まずここ | 学校には、生徒どうしのトラブルを受け持つ部署もある |
| 学校の中の相談窓口 | メンター以外に話したいとき | 窓口は複数ある。保健や生徒指導の専門の部署には、常勤の公認心理師・臨床心理士・社会福祉士がいる |
| スクールカウンセラー | 気持ちがしんどいとき | 本人の許可なく、メンターにも伝わらない |
| オンラインの健康相談 | 学校の外の人に話したいとき | 学校と組んでいる会社(Welcome to talk)に、ネットや文字で相談できる |
| 24時間子供SOSダイヤル | 夜中や休みの日も | 文部科学省の電話。0120-0-78310。24時間、通話は無料 |
| こどもの人権110番 | 学校に言いにくいとき | 法務省の電話。0120-007-110。月〜金の8時30分〜17時15分。大人も相談できる |
学校のよくある質問には、ネットでの生徒どうしのトラブルは「まずメンターに相談します」と書かれています。学校には、生徒どうしのトラブルを受け持つ部署があります。必要なときは、しかるべき機関に情報を出すよう求めることもあるそうです。
いじめの方針には、生徒だけでなく保護者も相談できるようにすると書かれています。子どものことで気になることがあれば、保護者からメンターに伝えてかまいません。
学校のページで紹介されているスクールカウンセラーは、2025年4月時点で3人です。児童精神科医、公認心理師、臨床心理士がいます。そのうち1人は、不登校やひきこもりの支援に関わってきた人です。相談は、学校のコミュニケーションツールを使って行います。
メンターとの相談のしかたは、N高のメンターにまとめました。
前の学校でいじめにあった人が、N高を考えるとき
ここからは、当サイトの考えです。
「N高ならいじめは起きない」とは、誰にも言えません。N高で変わるのは、毎日同じ人と同じ教室で過ごさなくていいことです。関わる量を、自分で少しずつ増やしていけます。
前の学校でつらい思いをした人は、次の順番を考えてみてください。
- ネットコースで始める。必ず会うのは、毎年のスクーリングだけ
- Slackは、学校からの連絡を見るところから。雑談や趣味のチャンネルは、落ち着いてから入る
- 通う日を、あとから足す。ネットコースから週5・週3・週1+コースへは、3か月ごとに変えられる
コースを変えるときの費用は、N高のオンラインキャンパスとN高のネットコースと通学コースの違いにまとめました。
いま通っている高校から移る場合、ネットコースへの転入は随時受け付けています。転学日は毎月1日なので、4月を待たなくてもかまいません。手続きは、N高への転入・編入にまとめました。
入る前に確かめる4つ

- 学校の決まりを、親子で読む(いじめ防止の基本方針とSlack利用ポリシー。学校の「情報公開」のページにある)
- 困ったときの相談先を知っておく(メンター、スクールカウンセラー、トラブルの担当部署)
- 2年次の本校スクーリングの泊まり方を聞く(沖縄で4泊5日。部屋のことは説明会で聞く)
- 会う日数でコースを選ぶ(ネットコース、週1+、週3、週5)
よくある質問
Q. N高のいじめの件数は、どこかで見られますか?
A. 見られません。学校のサイトにも、平成28年度から令和7年度までの自己点検・評価の報告書にも、いじめの件数は載っていません。気になる人は、説明会や個別相談で、いじめが起きたときの対応を聞いてください。
Q. Slackでいやなことをされたら、どうすればいいですか?
A. メッセージを消さずに、メンターに伝えてください。学校のよくある質問では、ネットでの生徒どうしのトラブルは、まずメンターに相談すると書かれています。メンターに言いにくいときは、スクールカウンセラーや学校の中の相談窓口にも話せます。
Q. スクールカウンセラーに話すと、親やメンターに伝わりますか?
A. 学校のページには、本人の許可なく、メンターを含めた第三者に伝わることはないと書かれています。カウンセラーは、相談の内容を厳しく管理しています。
Q. Slackは使わないといけませんか?
A. 学校からの連絡やメンターとの連絡に使います。雑談や趣味のチャンネル、ホームルーム、部活に入るかどうかは自分で決められます。
Q. N高で友だちはできますか?
A. 学校は、スクーリングが友だちづくりの場になっていると説明しています。Slackの趣味のチャンネルや、ネットの部活もあります。ただ、参加の多くは任意なので、自分から入らないと話す機会は増えません。
まとめ
- N高でも、いじめは起こりうる。学校の決まりも、ネットでのいじめを含めている
- いじめの件数は、公表されていない。評価の報告書にも載っていない
- 全国の高校で多いのは、悪口やからかい。ネットでの中傷は13.9%で、小中学校より割合が高い
- N高の決まりでは、レポートが出せなくなることも、重い事態の目安に入る
- Slackでは、悪口やしつこいDMは禁止。DMの記録も、学校が調べる対象になる
- つらいときは、メンターかスクールカウンセラーへ。カウンセラーに話したことは、本人の許可なく伝わらない
- ネットコースなら、必ず会うのは3年間で22〜26日。関わる量は自分で選べる
N高グループの資料は、無料で請求できます。
KADOKAWAとドワンゴが運営する広域通信制です。対象は中学3年生から高校生・高校中退の人。資料を請求しても入学の義務はありません。
出典
- N高等学校(学校法人角川ドワンゴ学園)「N高等学校 いじめ防止に関する基本方針」(2016年10月1日制定、2018年4月1日改定)。2026年11月7日確認
- 学校法人角川ドワンゴ学園「Slack 利用ポリシー」(2016年6月21日制定、2024年4月1日最終更新)。2026年11月7日確認
- N高等学校・S高等学校・R高等学校「よくある質問」(ネット上の生徒間トラブル、スクーリングと友だち)、「スクールサポート」(スクールカウンセラー、Welcome to talk、N Lobby)、「ICTツールの活用」(Slackのチャンネル、ホームルーム、部活)、「情報公開」。2026年11月7日確認
- N高等学校「自己点検・評価報告書」平成28年度〜令和7年度(令和7年度は、専門支援部署の職員と相談窓口)
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(いじめの認知件数、いじめの態様別状況、重大事態の決まり)
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(24時間子供SOSダイヤル)、法務省「こどもの人権110番」
- スクーリングの日数は、学校の「よくある質問」と「スクーリング」のページの日数を当サイトで足したものです

