不登校の中学生の勉強は何から? 本人の半数は「授業が分からない」まま休み始めている。取り戻す前にやる3つ
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中学生の子が学校を休んでいて、勉強が止まっている。「遅れをどう取り戻すか」から調べ始めた方に向けて書きます。
先に答えです。取り戻す前に、「どこから分からなくなったか」を見つけてください。
不登校だった子の半数は、授業が分からないまま休み始めています。本人がそう答えた調査があります。
- 不登校だった子本人の47%が「授業が分からない」、50%が「宿題ができない」と回答。学校が気づいているのは15.7%
- やることは3つ。分からなくなった単元まで戻る、家での勉強を学校に伝える、支えを決める
- 家での勉強が成績に反映された中学生は年5万8,578人。伝えなければ反映されない

先に答え:取り戻す前に、「どこから分からなくなったか」を見つける
「勉強しない」と見えている子の手前に、「分からないまま休み始めた」があります。
分からない場所に戻らずに、いまの学年の教材を積んでも進みません。最初にやるのは、戻る場所を見つけることです。
これは本人にやらせる作業ではありません。親が教科書を開いて、教科ごとに確かめます。
そのあとで、家での勉強を学校に伝えます。最後に、進め方を支える人を決めます。この順番で書きます。
本人の答え:授業が分からない47%、宿題ができない50%
文部科学省が委託した「不登校の要因分析に関する調査研究」があります。2024年3月の公表です。不登校だった小中学生本人に、休み始めたときのことを聞いた調査です。
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| 休み始めたとき、つらいと感じたこと | 不登校だった子 | 不登校でない子 |
|---|---|---|
| 授業が分からない | 47.0% | 35.4% |
| 宿題ができない | 50.0% | 24.5% |
| 成績が下がった | 37.9% | 41.6% |
半数が「授業が分からない」「宿題ができない」と答えています。「成績が下がった」は不登校でない子のほうが多く、成績の問題ではありません。
分からない状態が続き、宿題が出せなくなる。この2つが、休み始めの手前にあります。
同じ調査で、「どんなことがあれば学校に戻りやすかったか」も聞いています。上位は次のとおりです。
- 1番:友だちの声がけ
- 2番:家族の声がけ
- 3番目:「個別に勉強を教えてもらえること」
学校が気づいているのは15.7%。親が教科書で確かめる
同じ子どもを、学校の側はどう見ているか。文部科学省の2024年度の調査に出ています。
この調査は2025年10月に公表されました。
不登校の中学生は21万6,266人です。
学校が「学業の不振や宿題の未提出」を把握していたのは、そのうち15.7%でした。
| 学年 | 不登校の生徒数(2024年度) |
|---|---|
| 中学1年 | 5万8,736人 |
| 中学2年 | 7万7,066人 |
| 中学3年 | 8万464人 |
本人の半数が「分からない」と感じているのに、学校が把握しているのは6人に1人です。ここが見落とされています。
だから親が確かめます。やり方は次の節です。
心の状態や原因の判断は要りません。教科書を見るだけです。
やること1:分からなくなった単元まで戻る
教科ごとに、教科書の目次を開いてください。単元の名前を上から追い、本人に「ここは分かる?」と聞くだけです。
分からない単元が出てきたら、その一つ前まで戻ります。学年をまたいで戻ってかまいません。中2の連立方程式が分からない子は、中1の方程式から見ます。
調査では、休んでいる間に家で使った教材は「学校の教科書やプリント」が最多でした。新しい教材を買う前に、手元の教科書で足ります。
戻る場所が決まったら、一日にやる量は小さくします。一単元の例題を一つ、で十分です。続いた日数のほうが大事です。
やること2:家での勉強を学校に伝える
家でやった勉強は、学校に伝えると成績に反映されることがあります。2024年度から、文部科学省がこの人数を調べ始めました。
自宅や学校外での学習の成果が成績に反映された中学生は、5万8,578人でした。
- 不登校の中学生に占める割合:27%
- うち教科の評定にも反映:4万9,418人
伝えなければ、反映されません。担任に「家でこの単元をやった」と伝える窓口を決めてください。連絡帳でも、メールでも、週1回の電話でもかまいません。
教材やオンライン授業を使って出席扱いを目指すなら、先に学校の要件を聞きます。要件は不登校の「出席扱い」に書きました。
やること3:支えを決める。無料の窓口と、有料の目安
学校からの学習支援は、多くありません。先生の回答では、オンラインの学習支援をしたのは30.8%です。プリントや紙の教材を渡したのは71.7%でした。
保護者の6〜7割は、学校の学習支援は「実施されなかった」と答えています。学校任せでは足りない、が前提です。
無料で使える窓口から並べます。
- 教育支援センター:自治体が置く公的な学習と相談の場。全国1,873か所。探し方は不登校の「支援センター」はどこ?に書きました
- 自治体のオンライン授業:千葉県の「エデュオプちば」(小4〜中学生、顔と声を出さずに参加できる)、東京都の仮想空間の学びの場(区市町村を通じて)など。お住まいの教育委員会に「不登校向けのオンライン授業はあるか」と聞いてください
- 学校内の別室:校内の教育支援センターは全国1万2,712校にあります
有料の目安は、文部科学省の「子供の学習費調査」(2023年度)からです。
| 項目 | 公立中学生(支出した家庭の年間平均) |
|---|---|
| 学習塾費 | 34万9,000円(塾に使っていない家庭は34%) |
| 通信教育・家庭教師費 | 7万8,000円 |
塾は集団で進むので、戻る場所が決まっていない子には合いにくいです。1人の子の「戻る場所」から始められるのは、家庭教師かオンラインの個別です。契約で損をしない見方は不登校の家庭教師に書きました。
昼間に通える塾の探し方と、出席扱いとの関係は不登校の子の塾に書きました。
「勉強しない」ときに、親がしないこと
同じ調査で、不登校だった子の7割近くが心身の不調を挙げています。体の不調、気持ちの落ち込み、夜眠れない、などです。勉強の話は、体が動くようになってからです。
もう1つ、数字があります。学校に行きづらいと感じ始めたとき、誰にも相談しなかった子が31.5%です。
「なぜ勉強しないの」は、相談しなかった子をさらに黙らせます。聞くなら「どこから分からなくなった?」です。
答えは、教科書の目次で探せます。
自宅で勉強していない子は約3割、「よくしていた」子は11.5%です。多数派は、していないか、少しだけです。あなたの子だけではありません。
高校受験が心配なら
不登校が学年で最も多いのは中3です。
- 中3の不登校:8万464人
受験は、欠席日数の扱いが都道府県で違います。
出欠の記録を選抜に使わない県や、自己申告書を出せる県があります。不登校でも高校受験はできる?に、都道府県の数字と聞き方を書きました。
受験勉強も、戻る場所から始めるのは同じです。入試の範囲は中1からなので、戻ることは遠回りではありません。

注意:「追いつく」ための教材を先に買わないでください。戻る場所が決まっていないと、教材は積み上がるだけです。順番は、戻る場所を見つける、学校に伝える、支えを決める、です。
まとめ
- 不登校だった子の半数は「授業が分からない」まま休み始めている。学校が気づいているのは15.7%
- 取り戻す前に、親が教科書の目次で「どこから分からなくなったか」を確かめる。学年をまたいで戻ってよい
- 家での勉強は学校に伝えると成績に反映される(中学生5万8,578人)。支えは無料の窓口から探し、有料は個別から
出典
- 文部科学省委託事業「不登校の要因分析に関する調査研究」報告書(公益社団法人 子どもの発達科学研究所、2024年3月公表)。児童生徒回答:授業が分からない47.0%、宿題ができない50.0%、成績が下がった37.9%(不登校でない児童生徒は35.4%・24.5%・41.6%)。学校に戻りやすかったこと、自宅での学習の状況、学校の学習支援(オンライン30.8%、紙の教材71.7%)、誰にも相談しなかった31.5%、心身の不調
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果の概要(2025年10月29日公表)。中学校の不登校生徒数21万6,266人と学年別、学校が把握した事実「学業の不振や頻繁な宿題の未提出」中学校15.7%、欠席期間中の学習の成果を指導要録に反映した中学生5万8,578人(評定等に反映4万9,418人)。割合はこの記事で計算した
- 文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」結果の概要(2026年1月16日公表)。公立中学校の学習塾費(支出者平均34万9,000円、0円34.0%)。※2026年9月13日に修正(当初、公立高校の値38万1,000円を誤って記載)、通信教育・家庭教師費(支出者平均7万8,000円)
- 文部科学省「COCOLOプランの進捗状況」(令和7年11月、不登校対策推進本部 第5回 資料3・参考資料1)。教育支援センター1,873か所(令和6年度)、校内教育支援センター15,874校(令和7年6月、設置率58.7%)、学びの多様化学校59校
- 千葉県「オンライン授業配信 エデュオプちば」、東京都教育委員会「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」

