不登校の「出席扱い」|3つのルートと要件を、2026年4月の文科省リーフレットで整理。決めるのは校長で、教材ではない
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「出席扱い」という言葉を、教材の広告やフリースクールの説明で見た。うちの子も、家で勉強すれば出席になるのか。学校にどう聞けばいいのか。
そういう方に向けて書きます。
先に答えです。出席扱いには3つのルートがあり、決めるのは校長です。教材でも施設でもありません。
2026年4月に、文部科学省が初めて保護者向けのリーフレットを出しました。
要件は、1枚で読めます。
- ルートは3つ。公的な教育支援センター、民間の施設、家でのICT学習。どれも学校との連携が最初の要件
- 2024年度に、学校外の施設に通って出席扱いになった子は42,978人。家でのICT学習は13,261人(不登校の3.7%)
- 「ネット出席」をうたう教材だけでは要件を満たさない。対面指導と校長の把握が要る

先に答え:3つのルート。決めるのは校長
出席扱いとは、学校に行っていない日を、指導要録(学校の公式の記録)で出席として扱うことです。小中学校が対象で、高校は別の決まりです。
文部科学省が2026年4月に出したリーフレットは、ルートを二つに分けています。学校外の施設で相談・指導を受ける場合と、家でICTを使って学ぶ場合です。
施設はさらに公的と民間に分かれるので、この記事では3つと数えます。
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| ルート | どこで | 決める人 | 2024年度の人数 |
|---|---|---|---|
| 1 公的機関 | 教育支援センターなど | 校長 | 学校外の施設で42,978人 |
| 2 民間施設 | フリースクールなど | 校長(教育委員会と相談) | (上の人数に含む) |
| 3 家でのICT学習 | 自宅 | 校長 | 13,261人 |
どのルートでも、判断するのは学校です。リーフレットにも「その判断は学校が行う」と書かれています。だから、この記事の結論は最後の節の「学校に聞く順番」です。
数字:施設で42,978人、家でのICT学習で13,261人
文部科学省の2024年度の調査で、学校外の施設に通って出席扱いになった子は42,978人です。
5年前は、25,866人でした。
家でのICT学習で出席扱いになった子は13,261人です。
不登校の子全体の3.7%です。
| 年度 | 家でのICT学習で出席扱い |
|---|---|
| 2019年度 | 608人 |
| 2020年度 | 2,626人 |
| 2021年度 | 11,541人 |
| 2022年度 | 10,409人 |
| 2023年度 | 10,467人 |
| 2024年度 | 13,261人 |
2021年度に、一気に増えています。
学校に1人1台の端末が入った時期です。
その後は、1万人前後で止まっています。仕組みはあるのに広がっていない、というのが数字の示す実態です。
ルート1:教育支援センターなどの公的機関
リーフレットに書かれた要件は3つです。
- 保護者と学校のあいだに、十分な連携・協力体制があること
- 施設は、教育委員会が設置する教育支援センターなどの公的機関が基本
- 施設に通所か入所して、相談・指導を受けること
教育支援センターは無料で、全国に1,873か所あります。通った日は出席扱いになるのが原則です。
場所と申し込み方は不登校の「支援センター」はどこ?に書きました。
ルート2:フリースクールなどの民間施設
民間の施設は、公的機関で指導を受けられない、または通うのが難しい場合に考慮されます。本人や保護者の希望があり、適切と判断されることが条件です。
適切かどうかは、校長が教育委員会と相談して判断します。文部科学省の「民間施設についてのガイドライン」を目安にすることになっています。
一般の学習塾は、このガイドラインの目安に当てはまりにくいです。昼間の塾の扱いは不登校の子の塾に書きました。
学校向けのリーフレットには、施設から学校への活動報告に書く事項の例があります。利用日、活動の内容、本人の振り返り、スタッフのコメント。
この報告が学校に届く仕組みがあるかどうかが、民間施設を選ぶときの確認点です。費用と選び方は不登校のフリースクールに書きました。
ルート3:家でのICT学習
家で学ぶ場合の要件は、リーフレットで5つです。
- 保護者と学校のあいだに、十分な連携・協力関係があること
- 訪問などによる対面指導が、定期的かつ継続的に行われること
- 本人の理解の程度を踏まえた、計画的な学習プログラムであること
- 校長が、対面指導や学習活動の状況を十分に把握すること
- 基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合に行う学習活動であること
2つ目と5つ目が、見落とされやすい要件です。教材で学ぶだけでは足りません。
誰かが定期的に訪問して対面で指導すること。そして、施設に通えない事情があることが前提です。
対面指導をするのは、担任の家庭訪問でも、家庭教師でも構いません。誰がやるかは学校と決めます。家庭教師との関係は不登校の家庭教師に書きました。
出席扱いと成績評価は別:成績に反映した子は81,467人
出席扱いと、成績への反映は、別の判断です。2024年度に、家や学校外での学習の成果を指導要録に反映した子は81,467人でした。出席扱いより多い数字です。
成績評価の要件は、リーフレットで3つです。
- 学習の計画と内容が、在籍する学校の教育課程に照らして適切であること
- 学校と保護者・施設のあいだに連携があり、学校が学習の状況を定期的に把握すること
- 学校が訪問などの対面指導で本人の状況を把握し、本人と直接の関わりを続けること
学校向けのリーフレットには、例が2つあります。
- 教育支援センターでWeb教材を使い、学習の観点に沿った「振り返りカード」を作った例。学校は出席扱いと観点別評価の両方を行った
- 学校が授業を配信し、担任が補足してテストで理解度を確かめた例。出席扱いと評価を行った
家での学習は、記録を学校に渡すことで成績の材料になります。教材の名前、日付、何をどれだけやったか。不登校の小学生、家での過ごし方に、記録の型を書きました。
「ネット出席」をうたう教材の位置
「出席扱いに対応」「ネット出席」と書かれた教材があります。要件のどこに当たるかを分けると、こうなります。
- 当たる:3つ目の「計画的な学習プログラム」。学習履歴が残る教材は、校長が把握しやすい
- 当たらない:1つ目の「学校との連携」、2つ目の「対面指導」、5つ目の「施設に通えない場合」
教材は要件の1つを満たす道具で、教材を買えば出席扱いになるわけではありません。教材を選ぶ前に、学校と「連携の形」と「誰が対面指導をするか」を決めるのが順番です。
スマイルゼミ・すららなど、教材の名前で決まるのか
「スマイルゼミで出席扱いになるか」「すららで出席扱いになるか」と調べる人は多くいます。
文部科学省の2026年のリーフレットには、教材の名前は出てきません。書かれているのは「ICT等を活用した学習活動」という形だけです。
自治体のガイドラインを見ると、民間の教材をどう扱うかが具体的に書かれています。
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| 自治体 | 民間の教材・オンライン学習 | 条件の例 |
|---|---|---|
| 熊本市 | 「民間業者が提供するICT教材」を対象の例に挙げる | 対面指導はおおむね月1回以上。毎月の学習状況を学校へ出せるか確認 |
| 西宮市 | 「民間事業者が提供する教材」を対象に含める | 対面の教育相談は月1回以上(オンラインも可)。毎月、計画表と実績報告表を出す |
| 倉敷市(試行) | 民間施設のオンライン指導も、出席扱いにできるようにした | 担任と計画を立てずに家でオンライン学習をした場合は対象外 |
熊本市のガイドラインには、学校側の動きも書かれています。民間の教材がどんな学習を提供しているか、学校が問い合わせるなどして情報を集めるという内容です。
つまり、決め手は教材の名前ではありません。月1回以上の対面のやりとりと、毎月の学習記録を学校に出せるかどうかです。
教材の会社には、「学校に出す学習記録を、月ごとに出せますか」と聞いてください。在籍校の自治体のガイドラインは、学校か教育委員会に聞くと手に入ります。
学校のオンライン授業に参加する場合
在籍する学校の授業を、家からオンラインで受ける形もあります。熊本市のガイドラインは、ICTを使った学習の例に在籍校の授業を自宅に配信して行う学習を挙げています。
文部科学省の学校向けリーフレットにも、授業を配信した学校の例があります。担任が補足して理解度を確かめ、出席扱いと成績の評価の両方を行った例です。
オンライン授業を受けられるかは、学校の設備と方針によります。「授業の配信はしていますか」と、担任に聞いてみてください。
リーフレットには、もう1つ大事な文があります。出席扱いや成績評価の目的は、社会的な自立です。不登校が必要な程度を超えて長引くことを助長しないよう、留意するとあります。
出席日数のためではなく、学校とのつながりと学習の材料のための制度です。
学校に聞く順番

担任に聞く順番は、リーフレットの並びと同じです。
- 市の教育支援センターに通うことはできますか。通えるなら、ルート1
- 通えない場合、民間の施設に通ったら出席扱いにできますか。条件は。ルート2
- どちらも難しい場合、家で学んで出席扱いにする道はありますか。対面指導は誰がしますか。ルート3
3つとも「うちの学校では前例がない」と言われることがあります。そのときは、文部科学省のリーフレットと自治体のガイドラインを持って、もう一度聞いてください。
体の不調で休んでいる場合は、まず欠席がどちらで記録されているかを聞きます。中身は起立性調節障害と学校にまとめました。
校内の別室で過ごす場合は、また扱いが変わります。別室登校は公立小中の58.7%に部屋があるに書きました。
自治体のガイドラインと、地元の相談窓口
自治体によっては、民間施設との連携手順を文書にしています。山梨県は2024年9月に「不登校児童生徒の指導要録上の出席扱いに関するガイドライン」を作りました。静岡市にもガイドラインがあります。
山梨で選べる学校は山梨の通信制高校にまとめました。
ある自治体とない自治体があります。「自治体名 出席扱い ガイドライン」で検索して、あれば担任との相談に持っていきます。
保護者が何を出し、学校が何を確かめるかまで書いた例として、熊本市のガイドラインを熊本市の不登校支援で紹介しました。
倉敷市は2025年10月から、フリースクールや、担任と計画を立てた自宅学習も出席扱いにできるよう変えました(試行)。変更前と変更後の表は倉敷市の不登校支援に載せています。
家での学習を出席扱いにするとき、一日の学習時間の目安を示した自治体もあります。
- 例:小学1〜2年生は1時間30分以上など
西宮市のガイドラインは西宮市の不登校支援で紹介しました。
文部科学省のサイトには、教育委員会ごとの相談窓口の一覧もあります。「不登校に関する地元の相談窓口」というページです。学校に聞きにくいときは、そこからでも構いません。
注意:「出席扱いを保証する」「必ず出席になる」と説明する教材や施設は、確かめる項目が残っています。決めるのは校長です。この記事は小中学校の話で、高校の出席の扱いは別の通知で決まっています。
まとめ
- 出席扱いは3ルート。公的機関、民間施設、家でのICT学習。決めるのは校長
- 2026年4月に文科省が保護者向けリーフレットを出した。要件は1枚で読める
- 教材は要件の1つを満たす道具。学校との連携と対面指導を先に決める
出典
- 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」リーフレット【保護者等向け】【学校・教育委員会等向け】(2026年4月7日)。出席扱いの要件(学校外施設・自宅ICT)、成績評価の要件、活動報告の例、教育支援センターと授業配信の例、留意事項
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)別記1・別記2、別添3「民間施設についてのガイドライン」
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月29日公表)。学校外の機関で出席扱い42,978人(2019年度25,866人)、自宅ICT学習で出席扱い13,261人と年度別推移、学習の成果を指導要録に反映81,467人
- 文部科学省「COCOLOプランの進捗状況」(令和7年11月、不登校対策推進本部 第5回 資料3・参考資料1)。教育支援センター1,873か所(令和6年度)、校内教育支援センター15,874校(令和7年6月、設置率58.7%)、学びの多様化学校59校
- 山梨県教育委員会「不登校児童生徒の指導要録上の出席扱いに関するガイドライン」(2024年9月3日)、静岡市「不登校児童生徒の指導要録上の出席扱いに関するガイドライン」
- 熊本市教育委員会「不登校児童生徒の指導要録上の出席扱いについてのガイドライン」(令和6年10月改訂版)。ICT等を活用した学習活動の例(民間業者が提供するICT教材、在籍校の授業の自宅配信)、対面指導はおおむね月1回以上、学校による民間教材の情報収集、毎月の学習状況の提出の確認
- 西宮市教育委員会「義務教育段階の不登校児童生徒が自宅において学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いに関するガイドライン」(令和4年3月)。民間事業者が提供する教材を活用した学習、対面による教育相談は少なくとも月1回以上(オンライン可)、毎月の学習計画表・学習実績報告表
- 倉敷市教育委員会「倉敷市立小学校・中学校・特別支援学校(小学部・中学部)における不登校児童生徒の指導要録上の出欠の取扱い及び成績評価(試行)について」。民間施設が行うオンライン指導(令和7年度以降は出席扱いにできる)、担任と計画を立てずに自宅でオンライン学習をする場合の扱い

