不登校

不登校の小学生、家での過ごし方|勉強か自由かではなく、動かせるのは3つ。学校との週1のつながり、生活リズム、家での学習を学校に伝えること

不登校の小学生。家での過ごし方は3つで決まる。分かれ道の前に立つ親子のイラストにタイトルを載せたアイキャッチ
杉野 一樹

この記事には広告(PR)が含まれます。

お子さんが学校に行かなくなって、平日の昼間が家になった。ゲームばかりでいいのか。勉強はどうするのか。

自分の仕事はどうするのか。

答えの前に、1つだけ。この記事は、お子さんの心の状態を判断しません。それは学校と医療の領域です。

ここに書くのは、文部科学省の数字で見て、親が家で動かせることだけです。

小学校の不登校が全体でどうなっているか、学校が把握している理由は何かは小学生の不登校は10年で5.3倍にまとめました。

子どもが理由を話さないときの考え方は、不登校の小学生の気持ちにあります。

先に答えです。動かせるのは3つです。

学校との週1回のつながりを切らないこと。生活リズム。そして、家での学習を学校に伝えることです。

この記事で分かること
  • 小学生の不登校は学年が上がるほど増え、6年生は1年生の4.4倍。長く続く前提で「続く形」を作る
  • 不登校の子の95.8%は、学校か外の機関から相談・指導を受けている。週1回のつながりが全国の標準
  • 家での学習を学校に伝えて成績に反映した子は81,467人。出席扱いになった子は13,261人で、まだ少ない
学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は「いま」の段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「いま」の話です。

先に答え:動かせるのは3つ。長く続く前提で「続く形」を作る

文部科学省の2024年度の調査で、小学生の不登校は137,704人です。

10年前の5.3倍です。

中学生は2.2倍なので、小学生のほうが増え方が大きくなっています。

学年別に見ると、上がるほど増えます。

学年 不登校の人数(2024年度)
小18,738人
小214,125人
小319,460人
小425,322人
小531,979人
小638,080人

学年別に見ると、高学年ほど多くなります。一度行かなくなった子が、そのまま上の学年に進んでいる形が数字に出ています。

だから「来月には戻る」前提で毎日をしのぐより、長く続いても崩れない形を先に作る。そのほうが、親も子も楽です。

その形の柱が3つです。順に書きます。

学校が記録している相談の中身

文部科学省の調査には、学校が把握した「相談の内容」があります。原因ではありません。学校に相談があった、または学校が確認した項目です。

小学校の上位はこうです。

学校が記録した項目(複数回答) 小学校の不登校の子に占める割合
学校生活にやる気が出ない等の相談30.1%
生活リズムの不調の相談26.2%
不安・抑うつの相談24.1%
学業の不振や宿題の未提出15.4%
友人関係をめぐる問題11.8%
どれにも当てはまらない6.0%

この表から、親が家で動かせるものを選ぶと、2つです。生活リズムと、学習。

不安や抑うつは、学校のスクールカウンセラーか医療機関の領域です。気になるときは、担任に「相談できる人はいますか」と聞くところから始めてください。

1つ目:学校との週1回のつながりを切らない

不登校の子の95.8%は、学校か学校の外の機関から、相談や指導を受けています。

外の機関に通っていない子でも、89.0%は担任などから週に一度ほど以上の連絡を受けています。

つまり「週1回、学校とつながっている」のが全国の標準です。切れているのは4.2%です。

つながり方は、型を決めるだけです。

  • 曜日:毎週決まった曜日。学校側と相談して決める
  • 手段:電話、メール、連絡アプリ、家庭訪問。本人が負担に感じないもの
  • 誰が:親が受ける。本人は出なくてよい
  • 中身:本人の様子を1つ、家でやった学習を1つ

本人が担任と話せなくても、親が受ければつながりは切れません。このつながりが、次の2つ(学習の反映と出席扱い)の土台になります。

2つ目:生活リズム。決めるのは起きる時間だけ

学校が記録した相談のうち、生活リズムは26.2%でした。

およそ4人に1人です。

家で決めることは、1つに絞ります。起きる時間です。寝る時間は決めません。

起きる時間を固定すると、昼夜逆転は戻りやすくなります。逆に「早く寝なさい」は、寝られない子には効きません。

もう一つ、家の役割を持たせます。洗濯物をたたむ、皿を洗う、買い物に付き合う。どれか一つを、毎日同じにします。

「役に立った」が毎日1回あることが、起きる理由になります。

ゲームと動画は、長さではなく、終える時刻だけ決めます。起きる時間から逆算した時刻です。取り上げる必要はありません。

3つ目:家での学習を、学校に伝える

家でやった勉強は、学校に伝えると、成績と出席に関わります。ここは、知らない親が多い部分です。

2024年度に、家や学校の外での学習の成果を成績に反映してもらった子は、81,467人です。

不登校の子の23.0%です。

反対に、家でのオンライン学習などを出席扱いにした子は13,261人で、3.7%です。仕組みはあるのに、使われていません。

出席扱いの要件は、文部科学省の通知に7つあります。中心は3つです。

  • 学校と保護者の連携があること
  • 訪問などによる対面の指導が、定期的にあること
  • 学習の計画を学校が把握し、教育課程に照らして適切と判断すること

だから、家での学習は「学校に伝える前提」でやります。教材の名前、日付、何分やったか。この3つを記録して、週1回の連絡で伝えます。

成績に反映するかどうか、出席扱いにできるかどうかは、校長が決めます。伝えなければ、判断の材料がありません。

教材は、学校の教科書とワークで足ります。オンライン教材を使うなら、記録が残るものが伝えやすいです。

1日の骨組み(例)

家で過ごす1日の骨組みの例。7時に起きる時間だけ決める、10時の学習は学校に伝える前提で記録、13時に家の役割を1つ、16時に外に出る、19時は週1回学校に連絡する日、22時にゲームや動画を終える時刻だけ決める
決めるのは、起きる時間と学校に伝えること。あとはできる日だけで構いません。

毎日同じにするのは、起きる時間と家の役割の2つだけです。学習と学校への連絡は、学校につながる柱。外に出る時間とゲームの終了時刻は、できる日だけで構いません。

全部を最初の週から始める必要はありません。起きる時間から始めて、1つずつ足していくのが、続く形です。

昼間、親が仕事のとき

小学生を1人で家に置く時間が、いちばんの心配だと思います。数字はありませんが、制度で使えるものを並べます。

  • 学校の中の別室(校内教育支援センター):公立の小中学校1万5,874校にあります。教室には入れなくても、学校には行ける子に。担任に「別室で過ごせますか」と聞きます
  • 自治体の教育支援センター:無料の公的な施設で、全国1,873か所。日中に通えて、通った日は出席扱いの基本ルートです。名前が自治体で違うので、不登校の「支援センター」はどこ?に見つけ方を書きました
  • フリースクールなど民間の施設:月4万円前後で、自治体の補助がある地域もあります。不登校のフリースクールに費用と出席扱いの要件を書きました

どれも、最初の窓口は担任か市区町村の教育委員会です。「日中、子どもが通える公的な場所はありますか」と聞けば、名前が違っても案内してもらえます。

注意

注意:「家での過ごし方」を検索すると、原因や親の対応を断定する記事が出てきます。文部科学省の調査にあるのは「学校が記録した相談の内容」で、原因ではありません。心の状態が気になるときは、記事ではなく、学校のスクールカウンセラーか小児科に相談してください。

まとめ

  • 小学生の不登校は学年が上がるほど増える。長く続く前提で、崩れない形を先に作る
  • 動かせるのは3つ。学校との週1のつながり、起きる時間、家での学習を学校に伝えること
  • 伝えれば、成績と出席の判断材料になる。決めるのは校長。伝えなければ材料がない
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出典

  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月29日公表)。小学校の不登校137,704人と学年別、10年推移、学校が把握した事実(小学校)、専門的な相談・指導を受けていない135,724人(38.3%)のうち担任等から週1回程度以上の相談・指導120,759人(89.0%)、相談・指導を受けた割合95.8%、学習の成果を指導要録に反映81,467人、自宅ICT学習の出席扱い13,261人
  • 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)別記2
  • 文部科学省「COCOLOプランの進捗状況」(令和7年11月、不登校対策推進本部 第5回 資料3・参考資料1)。教育支援センター1,873か所(令和6年度)、校内教育支援センター15,874校(令和7年6月、設置率58.7%)、学びの多様化学校59校
  • 東京都教育委員会「フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告書【概要版】」(2024年8月)。民間施設の月額の中央値3万8,000円
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杉野 一樹(ペンネーム)
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不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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