不登校

不登校の「支援センター」はどこ? 制度上の相談先は自治体の教育支援センター。無料で全国1,873か所、使っている子は9%

不登校の支援センター。無料の公的機関はどこか。分かれ道の前に立つ親子のイラストにタイトルを載せたアイキャッチ
杉野 一樹

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お子さんが学校に行かなくなって数週間。どこに相談すればいいのか分からず、「不登校 支援センター」と検索した。そういう方に向けて書きます。

先に答えです。検索して最初に出るのは民間の団体ですが、制度上の相談先は自治体の「教育支援センター」です。

無料で、全国に1,873か所あります。そして、使っている子は不登校の子の9.1%しかいません。

この記事で分かること
  • 教育支援センターは教育委員会が設置する公的な施設。無料で、出席扱いの基本ルート
  • 全国1,873か所。学校の中の別室(校内教育支援センター)は公立小中の58.7%にある
  • 名前が自治体で違うので検索で見つからない。最初の一本は、学校か市区町村の教育委員会への電話
学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は「いま」の段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「いま」の話です。

先に答え:制度上の相談先は、自治体の教育支援センター

「支援センター」という言葉には、2種類あります。自治体の教育委員会が設置する「教育支援センター」と、民間の団体や施設です。

文部科学省の通知では、学校の外で相談や指導を受けるときの相談先は、公的機関が基本とされています。教育支援センターはその中心です。民間の施設は、公的機関に通えない場合に、本人や保護者の希望があれば認められます。

だから、最初に電話する先は施設ではありません。お子さんの学校か、住んでいる市区町村の教育委員会です。この記事は、そこにたどり着くまでを書きます。

3つの「支援センター」を分ける

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校内教育支援センター 教育支援センター 民間の施設(フリースクールなど)
場所通っている学校の中の別室教育委員会が設置。学校の外民間が運営
費用無料無料が多い月4万円前後(東京都の調査)
出席扱い学校が判断公的機関。基本ルート学校が要件を満たすと判断すれば可
数公立小中の58.7%全国1,873か所民間施設で相談・指導を受けた子18,566人
申し込み担任・学校学校か教育委員会直接

数字は、文部科学省の2024年度の調査によります。

「適応指導教室」「相談指導教室」「教育相談センター」。教育支援センターは、自治体によって名前が違います。

相模原市では「相談指導教室 いずみ・すばる・銀河」という名前です。検索して見つからないのは、名前が違うからです。

数字:使っている子は9.1%。全国1,873か所

文部科学省の2024年度の調査です。小中学校の不登校の子は353,970人。

そのうち、教育支援センターで相談や指導を受けた子は32,240人でした。9.1%です。

民間の施設で相談や指導を受けた子は18,566人(5.2%)です。

無料の公的な施設のほうが、有料の民間施設より使われています。それでも1割に届きません。

教育支援センターの数は、2024年度で1,873か所です。

  • 都道府県が設置:39か所
  • 市町村が設置:1,704か所

2019年の調査では、設置していた自治体は63%でした。そのころより増えています。

使っている子が1割に届かない理由は、3つ考えられます。

  • 通える距離にない
  • 通う回数や時間が合わない
  • そもそも親が存在を知らない

この記事は、3つ目を減らすために書いています。

何をしてくれるか:居場所、学習、そして出席扱い

教育支援センターは、日中に通って過ごす場所です。学習の支援、相談、体験活動を行います。

学校ではないので、通っても卒業や単位にはなりません。在籍は元の学校のままです。

通った日は、学校の出席として扱われることが基本です。文部科学省の通知で、公的機関での相談・指導は出席扱いの基本ルートになっています。判断は校長がしますが、民間施設より通りやすい仕組みです。

学校とのつながりも、数字があります。在籍校の先生と教育支援センターの職員が、子どもの状況を共有している市町村は1,222です。1,273市町村のうち、ほぼ全部です。

在籍校の授業を配信している市町村は257で、2割です。

見つけ方と申し込み方:最初の一本は学校か教育委員会

見つけ方は2つです。

  1. 担任か学校に聞く。「市の教育支援センターに通うことはできますか」で通じます。学校からの紹介で申し込む自治体が多いです
  2. 市区町村の教育委員会に電話する。「不登校の子が通える公的な場所を教えてください」と言えば、名前が違っても案内してもらえます

検索するなら「自治体名 教育支援センター」か「自治体名 適応指導教室」です。自治体のサイトの「教育委員会」の中にあります。

申し込みには、学校を通す自治体と、直接申し込める自治体があります。見学や体験ができる所が多いので、本人と一緒に見てから決めます。

地域ごとの例は、次の記事に書きました。

自治体 特徴
札幌市教育支援センターは学校経由、教育相談室は親が直接電話
仙台市教育支援センターへの交通費も補助
群馬県高校生まで使えるオンラインの居場所「つなサポ」
東京都都のフリースクール助成、オンラインの居場所(VLP)の参加区市
江戸川区高校生も使える共育プラザ。区は「再登校=回復ではない」と書く
船橋市学校を通すサポートルームと、直接電話できるほっとスペースけやき
練馬区見学は15時以降、体験は週1時間から。区の調査で卒業後の進学先も
杉並区さざんか教室は学年で4教室。転学して通う高井戸チャレンジクラス
相模原市平日夜と土曜に電話相談ができる
川崎市学区なし・無料。給食費の停止や定期券の手続きもある
新潟市予約は保護者の電話から。中学生には夜間の相談室もある
愛知県どこにも通っていない子のための県のみらいルーム
浜松市校外まなびの教室11か所は学区なし。見学も学校を通す
名古屋市フレンドリーナウは見学のあと学校から申し込む。家からはメタバースも
京都市ふれあいの杜は小4から。水曜はオンラインの居場所
西宮市あすなろは通い方の形で選ぶ。私立在籍でも市内在住なら対象
神戸市くすのき教室は見学を直接連絡できる。フリースクール助成は出席認定が条件
岡山市相談窓口への電話から始められる
倉敷市入室前でも行けるオープン活動。送迎なしのオンライン指導
広島県・広島市県と市の2層
熊本市出席扱いの手順をガイドラインで決めている
沖縄県県の適応指導教室に高校生も入れる

学校の中の別室:校内教育支援センター

学校の外に通えない子のために、学校の中に別室を置く仕組みがあります。校内教育支援センターと呼びます。

公立の小中学校1万5,874校にあります。

数は、2024年7月の時点です。

文部科学省が2025年6月に行った調査で、利用した子のその後が出ています。

  • 19.5%が、在籍していた学級に戻った
  • 48.6%が、不登校や不登校傾向の状況が改善した
  • 21.6%が、学校の中の日常的な居場所として使っている

「学校には行けるが教室には入れない」段階の子には、学校の外より先に、この別室が合うことがあります。担任に「別室で過ごすことはできますか」と聞いてください。

通えない・合わないとき

教育支援センターに通えない子、合わない子はいます。利用が9.1%という数字が、それを示しています。次の道は2つです。

家で学ぶ。家でのオンライン学習などを、出席扱いにする仕組みがあります。要件は7つで、学校と保護者の連携と、訪問などの対面指導が中心です。

2024年度に13,261人が、この形で出席扱いになりました。

民間の施設に通う。フリースクールなどです。費用は月4万円前後で、自治体の補助がある地域もあります。

出席扱いの要件と費用は不登校のフリースクール|通っている子は約5%、費用は月4万円前後に書きました。

どの道でも、学校との連携が最初に来ます。中学生なら、その連携が高校受験の調査書にもつながります。

最初の電話で聞く5つ

学校か教育委員会に最初の電話で聞く5つ。教育支援センターの有無と名前と場所、見学と通える回数、出席扱いと学校との連絡、校内の別室の有無、通えない場合の家での学習の出席扱い
学校か教育委員会に電話するとき、この5つを聞いてください。名前が違っても「不登校の子が通える公的な場所」で通じます。
  1. うちの市に教育支援センターはありますか。名前と場所は?
  2. 見学や体験はできますか。週に何回、何時から通えますか
  3. 通った日は出席扱いになりますか。学校との連絡は誰がしますか
  4. 学校の中の別室はありますか
  5. 通えない場合、家での学習を出席扱いにする相談はできますか

全部を一度に聞かなくて構いません。質問1と質問2だけでも、次に見に行く場所が決まります。

注意

注意:検索で「支援センター」と名の付く民間の団体が出てきたら、公的な教育支援センターとは別のものです。民間の相談は有料のことがあります。まず学校か教育委員会に電話して、無料の公的な場所を確かめてから、次を考えてください。

まとめ

  • 制度上の相談先は、自治体の教育支援センター。無料で全国1,873か所、出席扱いの基本ルート
  • 使っている子は9.1%。名前が自治体で違うので、検索より学校か教育委員会への電話が早い
  • 学校の中の別室(1万5,874校)が先に合うこともある。通えなければ、家での学習か民間施設
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出典

  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月29日公表)。不登校353,970人、教育支援センター32,240人(9.1%)、民間団体・施設18,566人(5.2%)、自宅ICT学習の出席扱い13,261人
  • 文部科学省「COCOLOプランの進捗状況」(令和7年11月、不登校対策推進本部 第5回 資料3・参考資料1・参考資料2)。教育支援センター1,873か所(令和6年度)、校内教育支援センター15,874校(令和7年6月、設置率58.7%/小学校8,841校49.1%・中学校7,033校77.5%)、学びの多様化学校59校
  • 文部科学省 教育課程部会「不登校児童生徒に係る特別の教育課程に関する現状・課題と検討事項」(2025年10月7日)。校内教育支援センターの効果(2025年6月調査:19.5%・改善48.6%・居場所21.6%)、在籍校との情報共有1,222/1,273市町村、授業配信257/1,273市町村
  • 文部科学省「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果(2019年5月13日)。設置していた自治体63%(1,142/1,818)
  • 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)別記1・別記2
  • 相模原市「青少年相談センター 施設案内」。相談指導教室の名称
  • 東京都教育委員会「フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告書【概要版】」(2024年8月)。民間施設の月額の中央値3万8,000円
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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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