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石川の通信制高校。県の奨学金は「学校がどこか」ではなく「保護者がどこに住んでいるか」で決まります

杉野 一樹

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金沢で通信制高校を探すと、キャンパスの名前がいくつも出てきます。その多くは本校が県外の学校です。

ここで気になるのがお金です。県の支援は使えるのか、という話です。

先に答えです。石川県の奨学金は、学校がどこにあるかではなく、保護者が石川県内に住んでいるかで決まります。県外の学校に通っていても申請できます。

これは県によって違います。福島や富山は「県内の学校」であることが条件です。この記事では、その違いと、一覧の数字の読み方を説明します。

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学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「進路」の、石川の話です。

石川の通信制は、本校2校と拠点35か所でできている

通信制高校には2つの場所があります。学校そのもの(本校)と、生徒が通う拠点です。

石川県に本校を置く通信制は2校です。

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学校 設置 所在地 定員/在籍
県立金沢泉丘公立金沢市泉野出町960/748
美川特区アットマーク国際株式会社立白山市美川浜町1,050/398

本校が2校しかない県は、秋田・富山・石川・徳島・佐賀の5県です。石川はその一つです。

美川特区アットマーク国際は、学校法人ではなく株式会社が設置している学校です。全国に15校しかありません。区域は47都道府県なので、どこに住んでいても入れます。

もうひとつが拠点です。正式には通信教育連携協力施設といい、県内に35か所あります。

そのうち23か所が金沢市で、在籍は917人でした。

この2つの違いは近くの通信制高校はどう探す?にまとめました。

県の奨学金は「保護者がどこに住んでいるか」で決まる

石川県には「石川県教育費負担軽減奨学金」があります。授業料以外の教育費を助けるお金で、返す必要はありません。

要件は3つです。

  1. 保護者等全員の住民税所得割の合算額が182,500円未満であること
  2. 保護者等が石川県内に在住していること
  3. 生徒が私立高等学校等に在籍し、就学支援金などの受給資格を持っていること

学校の場所は条件に入っていません。

県の手続きページには、申請の方法が2つに分けて書かれています。県内の学校に在学する生徒は学校に提出します。

そして「石川県外の私立高等学校等に在学する生徒」という欄が別にあります。こちらは県の総務部総務課へ直接提出します。期限は次のとおりです。

  • 令和8年度の期限:10月30日

つまり県外に本校がある学校でも、保護者が石川に住んでいれば対象になります。

これは通信制にとって大きい話です。金沢のキャンパスは本校が県外という学校が多いからです。

福島や富山とは、線の引き方が逆

同じ「県の支援」でも、県によって線の引き方が違います。

県 条件
石川保護者が県内に在住
福島県内に本校がある私立学校の生徒
富山県内の私立高等学校に在学

福島は制度のページの冒頭で、こう書いています。「福島県内に本校がある私立学校の生徒を対象としていますので、ご注意ください」。

富山も「県内の私立高等学校」に在学する方が対象です。

石川だけが世帯を見ていることになります。詳しくは郡山・福島の通信制高校と富山の通信制高校に書きました。

額と、新入生の前倒し

支給額はこうなっています。通信制は全日制より低い額です。

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世帯 全日制・定時制 通信制
生活保護受給32,300円32,300円
非課税143,700円50,500円
所得割105,500円未満47,900円16,830円
所得割182,500円未満35,930円12,630円

もうひとつ、新入生には前倒しの給付(4月から6月分)があります。

ただし残りの9か月分は自動では出ません。

7月1日時点の状況で、改めて申請が必要です。

前倒しだけ受け取って通常の申請を忘れると、7月分以降が出ません。ここは和歌山と同じ形です。

県ごとの補助の違いは通信制高校の学費が安いのはどこ?にまとめています。

一覧の在籍数は、そのまま読めないことがある

ここからは、一覧の読み方の話です。金沢を数えていて気づいたことがあります。

鹿島朝日高校の金沢の拠点が、すべて「定員40人、在籍93人」と同じ数字でした。

専門学校ファースト学園金沢校、金沢科学技術大学校、大原簿記法律観光専門学校金沢校の3か所です。

3か所それぞれに93人がいるとは考えにくい数字です。

同じ93人を3か所に書いている可能性があります。

全国を調べました。同じ学校・同じ県の中で、在籍数が3か所以上そろっている塊を数えました。

塊は22件、行数にして73行ありました。

全4,340行の1.7%です。

22件のうち17件が鹿島朝日高校でした。ほかにも例があります。

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県 拠点の数 どの拠点も同じ在籍
宮崎5か所71人
愛媛4か所110人
愛知4か所188人

つまり一覧の在籍数は、その拠点の実数とは限りません。

これが効いてくるのは「定員を超えているか」を見るときです。全国で定員超過は360か所あります。

そのうち47か所(13.1%)は、この塊の中にあります。

塊を除くと313か所になります。

選ぶ側にとっての結論は簡単です。一覧の数字をそのまま信じず、学校に「この拠点に何人いますか」と聞いてください。

一覧は場所を見つけるための地図で、人数を確かめる道具ではありません。

県立の通信制は、金沢泉丘高校にある

石川の公立の通信制は、県立金沢泉丘高校が持っています。金沢市泉野出町です。

それとは別に、県内6か所を会場にしています。

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会場 市 定員/在籍
県立羽松羽咋市160/45
県立七尾城北七尾市160/45
七尾サテライト校七尾市40/32
県立加賀聖城加賀市160/31

このほか2か所あります。

県立総合看護専門学校の准看護学科(金沢市)が40人に対して19人です。

県立輪島高校の定時制(輪島市)は、160人に対して8人でした。

能登の七尾・羽咋・輪島と、加賀に会場があります。金沢まで出なくても通える人がいる、ということです。

本校は定員960人に対して在籍748人なので、数字の上では空きがあります。

公立の通信制は授業料が低く、就学支援金を使えば実質的にかからないことが多くなります。中身は公立の通信制高校はどんなところ?にまとめました。

定員だけ大きくて、在籍0の拠点もある

石川の35か所のうち、在籍0人の拠点を数えました。

  • 石川:13か所(37.1%)
  • 全国平均:38.8%

石川は全国平均とほぼ同じです。

ただし中身に特徴があります。枠が大きいのに0人という拠点が並んでいます。

日本航空高校の県内3拠点は、定員を合わせると690人です。

在籍は0人です。拠点ごとの定員は次のとおりです。

拠点 定員
金沢学習センター320人
金沢第2学習センター290人
石川学習センター(輪島)80人

美川特区アットマーク国際の面接指導の会場も、定員520人に対して在籍0人でした。

会場は県立白山青年の家と美川文化会館アクアの2か所です。

定員の大きさは、そこに人がいることを意味しません。これは前の章と同じ話です。

面接指導ができるのは35か所のうち24か所です。

残る11か所は学習等支援施設で、スクーリングのときは別の場所へ行くことになります。

金沢市の相談先

学校を選ぶ前に、相談できる場所があります。

金沢市には教育支援センター「そだち」があります。場所は次の2か所です。

  • 教育プラザ富樫:富樫3-10-1
  • 教育プラザ此花:此花町2-7

対象は金沢市内に住む小中学生です。3つのコースがあります。

  • そだちPersonal:主に個別での支援
  • そだちFriendship:主に小集団での支援
  • そだちLink:主にオンラインでの支援

相談先は教育プラザです。

  • 電話:076-243-0874
  • 受付:月曜から金曜の9時から17時45分まで
  • 休み:祝日と年末年始

学校を決めてから相談するより、決める前に相談したほうが選択肢が増えます。進路の書類や出席の扱いは、いま在籍している学校を通したほうが早く進むことが多いからです。

決める順番

ここまでの内容を、確かめる順に並べました。

石川で通信制を選ぶ前に確かめる5つ。県外の学校でも県の奨学金を申請できると知っているか、新入生の前倒し給付を確かめたか、その拠点の在籍数を学校に直接聞いたか、定員が大きい拠点の中身を確かめたか、県立金沢泉丘の会場が6か所あることを知っているか
石川は県外の学校でも県の奨学金を申請できます。

順番はこうです。まず県立金沢泉丘の会場で通える場所があるかを見る。次に私立の候補を挙げる。

そのうえで、その拠点に何人いるかを学校に聞きます。石川ではこの質問が特に効きます。

問い合わせで聞くこと

  • この拠点には、いま何人が在籍していますか
  • スクーリングはどこで、年に何日ありますか
  • 県の教育費負担軽減奨学金の対象になりますか
  • 新入生の前倒し給付は使えますか

まとめ

石川の通信制について、調べてわかったことを並べます。

県の教育費負担軽減奨学金は、保護者が石川県内に住んでいることが要件です。県外の学校に通っていても、県に直接申請できます。

福島は「県内に本校がある学校」、富山は「県内の私立高校」が条件です。同じ県の支援でも、線の引き方が正反対でした。

新入生には4月から6月分の前倒し給付があります。

残り9か月分は改めて申請が必要です。

一覧の在籍数は、そのまま読めないことがあります。金沢では、鹿島朝日の3か所の数字がそろっていました。

どれも「定員40、在籍93」でした。

全国では73行でこの形が見つかりました。

県立金沢泉丘の通信制は、七尾・羽咋・輪島・加賀にも会場があります。

日本航空高校の県内3拠点は、在籍0人でした。

定員は合わせて690人です。

資料を集めるところから始めるなら、広い区域の学校もひとつ見ておくと比べやすくなります。

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数字は文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」の詳細検索用エクセルをもとに集計しました。2025年5月現在の数字です。

学費は石川県の「石川県教育費負担軽減奨学金(私立学校)」によります。額は「授業料以外の教育費への支援」のページのものです。

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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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