不登校

小学生の不登校は10年で5.3倍。学校が把握した理由を、中学生と並べて数えました

杉野 一樹

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小学生の不登校について調べると、「増えている」という話がまず出てきます。ただ、どれくらい増えたのかは、あまり書かれていません。

先に答えです。小学校の不登校は137,704人です。

10年前の5.3倍になりました。

同じ10年で、中学校は2.2倍です。増えているのは、主に小学校です。

この記事では、文部科学省の令和6年度の調査から、数と理由を中学生と並べて出します。

学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事はいまの段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「いま」の段階の話です。

数と、中学校との違い

令和6年度の数字です。

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人数 1,000人あたり
小学校137,704人23.0人
中学校216,266人67.9人
合計353,970人38.6人

過去最多で、12年連続の増加です。

1,000人あたりで見ると、小学校は23.0人です。

40人のクラスなら、1人いるかどうかという数になります。

中学校は67.9人なので、小学校の3倍近くです。

10年の伸びは、小学校のほうが急

10年前と比べます。

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平成26年度 令和6年度 倍率
小学校25,864人137,704人5.3倍
中学校97,033人216,266人2.2倍

小学校は5.3倍、中学校は2.2倍です。

1,000人あたりの数でも、並べておきます。

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平成26年度 令和6年度 倍率
小学校3.9人23.0人5.9倍
中学校27.6人67.9人2.5倍

「不登校が増えた」という話の中身は、主に小学校で起きていることになります。

増え方は鈍ってきた。新規は9年ぶりに減った

ここは新しい動きです。増え続けてはいますが、増え方が変わりました。

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令和6年度の増加率 前年度
小学校5.6%24.0%
中学校0.1%11.4%
全体2.2%15.9%

小学校の増加率は24.0%から5.6%に下がりました。中学校はほぼ横ばいです。

そして新しく不登校になった子の数です。

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令和6年度の新規 前年度
小学校70,419人74,447人
中学校83,409人90,853人

小学校も中学校も、前年度より減りました。

小・中を合わせた新規153,828人は、9年ぶりの減少です。

資料には、こうも書かれています。「小学校1年生、中学校2年生における不登校児童生徒数は前年度から減少した」。

「毎年どんどん増えている」という段階からは、少し変わってきています。

学年が上がるほど増える

学年ごとの人数です。

学年 人数
小18,738人
小214,125人
小319,460人
小425,322人
小531,979人
小638,080人

小学校の6年間で、4.4倍になります。学年が上がるほど増える形です。

そして中1は、58,736人です。

中学校に上がると、さらに1.5倍に増えます。

ここから言えることがあります。小学校で休み始めた場合、そのまま中学校まで続く可能性を見ておいたほうがいいということです。

短期で戻す前提より、長く続く前提で形を作るほうが結果的に楽になります。家での過ごし方は不登校の小学生、家での過ごし方にまとめました。

学校が把握した事実のランキング

「原因」を知りたい方が多いと思います。調査では「学校が把握した事実」として集計されています。

小学校の137,704人について、多い順に並べます(複数回答)。

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学校が把握した事実 人数 割合
学校生活に対してやる気が出ない等の相談41,411人30.1%
生活リズムの不調に関する相談36,053人26.2%
不安・抑うつの相談33,193人24.1%
親子の関わり方に関する問題23,210人16.9%

5位より下も並べます。

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学校が把握した事実 人数 割合
学業の不振や宿題の未提出21,245人15.4%
友人関係の問題16,229人11.8%
家庭生活の変化14,137人10.3%
障害(疑いを含む)に関する支援の求め13,279人9.6%
個別の配慮の求め11,195人8.1%
教職員との関係6,090人4.4%
いじめの被害2,533人1.8%

いじめの被害は、1.8%でした。

ここは誤解されやすいところです。いじめが原因の不登校は、割合としては多くありません。

いちばん多いのは「やる気が出ない」で30.1%です。ただしこれは学校から見た記録なので、本人の感じ方とは違うことがあります。

先生が見ているものと、本人や保護者が感じているものにはズレがあります。別の調査の数字を不登校の子に親ができることに出しました。

行きたくないと感じた日にできることは、学校に行きたくないと思ったらに書きました。

本人の側から見た当時のきっかけは、不登校の小学生の気持ちに書きました。不登校を経験した大人に聞いた国の調査です。

小学校と中学校で、違うところ

同じ項目を中学校と並べると、差がはっきり出ます。

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項目 小学校 中学校
親子の関わり方16.9%9.9%
家庭生活の変化10.3%6.6%
障害(疑い含む)9.6%6.2%
教職員との関係4.4%2.3%

小学校のほうが高い項目は、家庭・発達・先生との関係です。親子の関わり方は中学校の1.7倍、教職員との関係は1.9倍でした。

逆に中学校が高いのは、友人関係とあそび・非行です。差がない項目もあります。

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項目 小学校 中学校
友人関係11.8%14.1%
あそび・非行1.8%3.8%
やる気が出ない30.1%30.1%
不安・抑うつ24.1%24.4%

やる気が出ないは、両方とも30.1%でした。

つまり小学生の場合、「学校のできごと」より「家庭や発達の要素」が記録に出やすいということになります。

これは、家庭に原因があるという意味ではありません。小学生は生活の多くを家庭で過ごすので、変化が家庭の側に現れやすいという読み方ができます。

休みの長さは、中学生より短い

もう一つ、小学校の特徴があります。休みの長さです。

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欠席90日以上 出席日数0日
小学校44.1%2.6%
中学校60.7%―
全体54.2%3.1%

欠席90日以上は、小学校のほうが少なくなっています。

小学校では「完全に行かない」より「行ったり行かなかったり」のほうが多いということになります。

だから「もう行けない」と決める前に、行ける日を数えるほうが実態に合っています。学校とのつながりを切らない工夫は、出席の扱いにも関わります。

出席扱いのルールは不登校の「出席扱い」にまとめました。

最初にやること

ここまでの内容を、確かめる順に並べました。

小学生の不登校で最初に確かめる5つ。完全に行かないと決めつけていないか、学年が上がるほど増えると知っているか、いじめ以外の可能性も見たか、中学生とは違う点を知っているか、増え方は鈍ってきている
小学校は「行ったり行かなかったり」が多数派です。

順番はこうです。まず、行けた日と行けなかった日を数える。次に、学校に家で見えていることを伝える。

そのうえで、使える支援を調べます。公的な支援は5つの層に分かれていて、無料で学校を通すものから探すと早いです。

支援の地図は不登校の「支援」は5つの層にまとめました。

学校に伝えること

  • 行けた日と行けなかった日
  • 家で見えている体調や睡眠の様子
  • 本人が話している言葉
  • 家でしている学習の内容

まとめ

小学生の不登校について、数えてわかったことを並べます。

  • 小学校の不登校は137,704人で、1,000人あたり23.0人。10年前の5.3倍
  • 中学校は同じ10年で2.2倍。増えているのは主に小学校
  • ただし増加率は5.6%まで下がり、新しく不登校になった子の数は9年ぶりに減った
  • 学年が上がるほど増え、小1から小6で4.4倍、小6から中1でさらに1.5倍
  • 学校が把握した事実で最も多いのは「やる気が出ない」30.1%、次が「生活リズムの不調」26.2%。いじめの被害は1.8%
  • 親子の関わり方は小学校16.9%・中学校9.9%。小学生のほうが家庭の要素が記録に出やすい
  • 欠席90日以上は小学校44.1%で、中学校の60.7%より低い
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数字は文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によります。

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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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