都道府県別

八戸の通信制高校。県内で一番人が通っているのは、八戸市の1か所です

杉野 一樹

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八戸で通信制高校を探すと、いくつも名前が出てきます。青森市まで広げれば、さらに増えます。

先に答えです。青森県内には通信制の拠点が35か所ありますが、そのうち19か所は在籍者がいません。

そして人は、散らばっていません。県内の在籍613人のうち441人が八戸市です。

そのうち406人は、1か所に集まっています。

つまり「数が多い」ことと「人が通っている」ことは、青森ではまったく別の話です。この記事では、文部科学省の一覧を1件ずつ数えた結果を出します。

学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は進路の段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「進路」の、青森の話です。

青森の通信制は、本校7校と拠点35か所でできている

通信制高校には、2つの場所があります。学校そのもの(本校)と、生徒が通う拠点です。

青森県に本校を置く通信制は7校です。

県立が3校、私立が4校あります。

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学校 設置 所在地 定員/在籍
県立八戸中央公立八戸市諏訪150/94
県立北斗公立青森市松原600/215
県立尾上総合公立平川市450/155
五所川原第一私立五所川原市240/176
八戸工業大学第二私立八戸市妙240/43
東奥学園私立青森市勝田300/143
青森山田私立青森市幸畑950/331

7校を合わせた数は、次のとおりです。

  • 定員:2,930人
  • 在籍:1,157人

広い区域で生徒を集めているのは青森山田の1校だけです。あとの6校は青森県か、隣の秋田・岩手までを区域にしています。

隣県の状況は岩手の通信制高校にまとめました。

もうひとつが拠点です。正式には通信教育連携協力施設といい、県内に35か所あります。本校が県外の学校でも、拠点が青森にあれば県内から通えます。

この2つは性質が違います。本校は学校で、拠点は学校の一部です。

詳しい仕組みは近くの通信制高校はどう探す?にまとめました。

数えると、35か所のうち19か所は在籍0人だった

文部科学省の一覧には、拠点ごとの在籍者数が載っています。青森県内の35か所を1件ずつ数えました。

在籍者のいない拠点が19か所ありました。全体の54.3%です。

全国で見ると、4,340か所のうち在籍者のいない拠点は1,685か所です。

割合は38.8%です。青森はそれより15ポイント以上高いことになります。

拠点が20か所以上ある都道府県だけで並べると、青森の54.3%は全国で一番高い数字でした。

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順位 都道府県 在籍0人の割合
1位青森54.3%
2位福島53.8%
3位茨城51.8%

在籍0人は、必ずしも問題ではありません。その年は生徒がいないだけ、という場所もあります。

ただし選ぶ側から見ると意味があります。その拠点に自分以外の生徒がいない可能性が、青森では他県より高いということだからです。

一覧で名前を見つけたら、在籍者数を学校に聞いてください。文部科学省の一覧にも載っていますし、学校に直接聞いても答えてくれます。

人が集まっているのは、八戸市の1か所

35か所の在籍を合計すると613人です。これを市町村ごとに分けると、偏りがはっきり出ます。

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市 拠点の数 在籍
八戸市7か所441人
青森市18か所137人
弘前市5か所5人

八戸市は拠点が7か所しかないのに、県内の在籍の71.9%がここにいます。

在籍613人のうち441人です。

一方の青森市は18か所と数は多いのですが、在籍は137人です。

県内の22.3%にとどまります。

弘前市は5か所で5人です。

さらに細かく見ると、八戸の441人のうち406人は一か所です。

仙台育英学園高校の面接指導等実施施設「ILC青森」で、定員は580人あります。

県内の在籍613人のうち、66.2%がこの一か所にいることになります。

この406人という数字は、全国でも大きい部類です。

連携協力施設4,340か所の中で62位にあたります。

在籍400人以上の拠点は全国に63か所しかありません。

なぜ八戸に集まったのかは、この一覧からは読み取れません。読み取れるのは結果だけです。

ただ、探すときの意味ははっきりしています。八戸には同級生が大勢いる場所があり、青森市には数は多いけれど小さい場所が並んでいます。どちらが合うかは人によって違います。

人が多い場所は行事や友達ができやすい反面、静かに過ごしたい人には向かないことがあります。逆も同じです。見学のときに、その日いる生徒の人数を見てください。

スクーリングができる拠点は、12か所だけ

拠点は2種類あります。面接指導等実施施設と、学習等支援施設です。

面接指導等実施施設ではスクーリング(面接指導)ができます。学習等支援施設はできません。勉強の支援だけを行う場所です。

青森県内の35か所のうち、面接指導ができるのは12か所です。

残る23か所は学習等支援施設で、スクーリングのときは別の場所へ行くことになります。

その12か所のうち、在籍者がいるのは6か所でした。

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拠点 本校 市 定員/在籍
ILC青森仙台育英学園八戸市580/406
北斗高等学校NHK学園青森市120/56
青森公立大学鹿島朝日青森市30/30
八戸あおば高等学院星槎国際八戸市27/32
下北文化会館五所川原第一むつ市40/27
青森キャンパスさくら国際青森市30/1

残る6か所は在籍0人です。弘前市の専門学校、八戸工業大学、青森市の大学や短大が会場として登録されています。

表の中で1か所だけ、定員を超えている拠点があります。

八戸あおば高等学院で、定員27人に対して在籍32人です。

県内ではもう一か所、トライ式高等学院青森キャンパスが定員10人に対して13人でした。

大学や公共施設が会場になっているとき、そこに先生が常駐しているとは限りません。スクーリングの日だけ使う場所なのか、普段から通える場所なのかを聞いてください。この違いは学校によってかなり違います。

県立3校は、定員の4割しか埋まっていない

青森の県立通信制は3校です。八戸市の八戸中央、青森市の北斗、平川市の尾上総合です。

3校を合わせた数は、次のとおりです。

  • 定員:1,200人
  • 在籍:464人
  • 埋まっている割合:38.7%

内訳はこうです。

  • 八戸中央:定員150人に対して94人
  • 尾上総合:定員450人に対して155人

一番大きい北斗は、定員600人に対して215人でした。

空きがある、ということです。私立の拠点が埋まっていても、県立には余裕があります。

県立は授業料が安く、通信制なら就学支援金で実質的にかからないことが多いです。

ただし3校は八戸・青森・平川に分かれています。住んでいる場所によって、通いやすさがかなり変わります。

県立の中身は公立の通信制高校はどんなところ?にまとめました。

入る時期の締切は通信制高校の転入・編入はいつまで?にあります。

学費。青森県の独自の補助は入学金だけ

通信制の学費は、国の就学支援金でかなり下がります。ここは全国共通です。

そのうえで、県が独自に上乗せしている地域があります。青森はどうか確かめました。

青森県庁の「私立高等学校等の修学支援制度について」を見ると、県単独の制度は就学支援費補助金です。これは入学金への補助で、上限は年額50,000円です。

条件が2つあります。当該年度の新入生であること、そして保護者の年収目安が270万円未満の非課税相当世帯であることです。

授業料への県独自の上乗せはありません。つまり、青森は「国の支援金だけで考える県」です。

もうひとつ、奨学のための給付金があります。こちらは返さなくていいお金ですが、通信制は額が下がります。

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世帯 全日制・定時制 通信制
生業扶助受給52,600円52,600円
非課税152,000円52,100円
所得割105,500円未満50,670円17,370円

非課税世帯で比べると、全日制の152,000円に対して通信制は52,100円です。

約3分の1になります。

これは青森だけの話ではなく、国の制度としてそうなっています。ただ「通信制なら支援が手厚い」と思って計算すると、ずれます。

県ごとの補助の違いは通信制高校の学費が安いのはどこ?にまとめています。

八戸市・青森市の相談先

学校を選ぶ前に、相談できる場所があります。

八戸市には、市総合教育センター内に「うみねこ教室」があります。学校に行きづらい子どもが個別学習やグループ活動をする場所です。

同じく八戸市の「こども支援センター」は、市総合保健センターの中にあります。発達や教育の相談、適応相談を受け付けています。平日の9時から16時です。

青森市にも教育相談の窓口があります。まずは在籍している中学校の先生か、市の教育委員会に聞くのが早いです。

学校を決めてから相談するより、決める前に相談したほうが選択肢が増えます。進路の書類や出席の扱いは、中学校を通したほうが早く進むことが多いからです。

決める順番

ここまでの内容を、確かめる順に並べました。

八戸・青森で通信制を選ぶ前に確かめる5つ。その拠点にいま何人いるか聞いたか、面接指導ができる場所か確かめたか、県立3校のどれが通いやすいか比べたか、定員の空きを確かめたか、県の補助で授業料が安くなると思い込むのは注意
拠点の数ではなく、そこに何人いるかを先に聞いてください。

順番はこうです。まず面接指導ができる拠点かを確かめる。次に、そこに何人いるかを聞く。

そのうえで県立と私立を比べます。

青森では、この順番が特に効きます。35か所のうち19か所に、在籍者がいないからです。

面接指導ができるのも、12か所しかありません。名前の数だけを見ていると、実際には選べない場所まで数えてしまいます。

問い合わせで聞くこと

  • この拠点は面接指導ができますか
  • いま何人が在籍していますか
  • スクーリングはどこで、年に何日ありますか
  • 先生は常駐していますか

まとめ

青森の通信制について、数えてわかったことを並べます。

県内の拠点は35か所ありますが、19か所は在籍者がいません。

54.3%という割合は、拠点が20か所以上ある都道府県で全国一番でした。

人は八戸市に集まっています。

  • 八戸市:県内の在籍613人のうち441人(そのうち406人は一か所)
  • 青森市:18か所あって137人

面接指導ができる拠点は12か所で、そのうち在籍者がいるのは6か所です。

県立3校には、空きがあります。

  • 定員:1,200人
  • 在籍:464人

県の独自補助は入学金の50,000円だけで、授業料への上乗せはありません。

資料を集めるところから始めるなら、広い区域の学校もひとつ見ておくと比べやすくなります。

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数字は文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」の詳細検索用エクセルをもとに集計しました。2025年5月現在の数字です。

学費は青森県「私立高等学校等の修学支援制度について」によります。

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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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