不登校

学びの多様化学校とは|文部科学省の一覧84件を数えた。この3年で60件が加わり、あるのは34都道府県。入るまでの流れ

学びの多様化学校とは。国の一覧84件を数えた
杉野 一樹

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学びの多様化学校という言葉を聞いた。うちの子も通えるのか。ふつうの学校と何が違うのか。

そういう保護者に向けて、国と自治体の資料でわかることを並べます。

先に答えです。学びの多様化学校は、不登校の子に合わせて、授業の時間や内容を変えられる学校です。以前は「不登校特例校」と呼ばれていました。

国の一覧には84件が載っています。この3年で、数が大きく増えました。

この記事で分かること
  • 国の一覧84件を、形・指定の年・都道府県で数えた結果
  • 令和6年から8年の指定が60件。数は急に増えている
  • 一覧に載っているのは34都道府県。東京都が14件
  • 授業時間は標準より少なく、朝の始まりが遅い学校が目立つ
  • 入るには転校が前提。説明会への参加が必須の市もある
学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「いま」の話です。

学びの多様化学校とは

ふつうの学校は、国が決めた教育課程の基準に沿って授業をします。

学びの多様化学校は、文部科学大臣の指定を受けて、この基準によらない教育課程を組めます。不登校の子の実態に合わせるためです。

フリースクールとの違いは、正式な学校であることです。通えば、その学校の出席になります。卒業すれば、その学校の卒業です。

国の一覧84件を数えた

文部科学省は、学びの多様化学校の設置者の一覧を公開しています。当サイトで、一覧の84件を数えました。

形は4つ

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形 件数 どんな形か
本校型32独立した1つの学校
分校型12ある学校の分校
分教室型29ある学校の、別の場所にある教室
コース指定型11高校の中のコース

いちばん多いのは本校型、次が分教室型です。

分教室型は、籍を置く学校と通う場所が違います。たとえば町田市の「ゆめのき」は、山崎中学校の分教室です。

この3年で60件が加わった

指定された年 件数
令和5年まで24
令和6年11
令和7年24
令和8年25

令和6年以降に指定されたものが、60件あります。

全体の7割を超えます(当サイトの計算)。

公立が59件、私立が25件

管理しているのが教育委員会の学校は59件、学校法人の学校は25件でした。

公立は、その市区町村に住む子が対象になるのがふつうです。私立は、学費がかかります。

一覧にあるのは34都道府県

都道府県 件数
東京都14
福岡県8
神奈川県5
岐阜県・兵庫県各4

一覧に載っているのは、34の都道府県でした。

残りの13県は、一覧に名前がありません。

数は増えていますが、住んでいる市にあるとは限りません(当サイトの読み)。

授業時間は、どれだけ少ないか

当サイトが、自治体の資料で確かめた学校の例です。

学校 年間の授業時間など
静岡市 末広中学校分教室850時間。1コマは45分
大田区 みらい学園 中等部980時間
川口市 芝園学園中学校2割程度減らす。始業を1時間程度遅らせる
町田市 分教室ゆめのき登校は9時。学年相当の集団授業

中学校の標準は、年間1,015時間です。静岡市の分教室は、標準より165時間少ない計算です。

朝の始まりを遅くしている学校が目立ちます。減らし方は学校で違い、大田区の中等部は標準に近い時間数です。

一方で、授業の中身は学校で違います。町田市の「ゆめのき」は、学年相当の集団授業です。テストと成績もあります。

学び直しから始めたい子に合うかどうかは、説明会で確かめてください。

入るまでの流れ

フリースクールや教育支援センターと違い、籍を移すのが前提です。転校か、進学のときの入学になります。

確かめた市の例を並べます。

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市 対象・人数 手続き
静岡市小学6年生が対象。16名程度11月に申請、12月に面談
川口市各学年15名程度説明会への参加が必須
町田市小学6年生と中学1・2年生説明会が必須。体験のあと検討委員会が決める
さいたま市原則30日以上欠席している子時期は市のページで案内

募集は、年に1回の市が多いです。静岡市は、在校する学年への追加の募集をしないと書いています。

定員は、1学年で20人までの学校がほとんどです。希望すれば必ず入れる学校ではありません(当サイトの読み)。

検討するなら、まず説明会の時期を市の教育委員会に聞いてください。

これから開く予定の市

設置を決めている市や、検討している市もあります。

市 予定
杉並区2028年4月。高南中学校の分教室
町田市2029年4月。小学生も対象にする構想
浜松市2028年度以降
金沢市検討中。答申は「設置することが望ましい」

予定は変わることがあります。最新の時期は、各市のページで確かめてください。

東京都の「チャレンジクラス」は別の仕組み

東京都には、中学校の中に置く「チャレンジクラス」があります。都は「東京都型学びの多様化学校」と位置づけています。

国の一覧に載る学校とは、別の仕組みです。

足立区の「シエスタ」や、杉並区の高井戸チャレンジクラスがこの形です。どちらも、入るときに転校します。

都の制度は東京都の不登校支援に書きました。

高校にもある

コース指定型の11件は、高校のコースです。本校型にも、高校があります。

高校受験と欠席日数の関係は不登校でも高校受験はできる?にまとめました。

家から参加できるオンラインのフリースクールも、通い先の候補になります。

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検討する前に確かめる4つ

学びの多様化学校を検討する前に確かめる4つ。住んでいる市にあるか(国の一覧は34都道府県)、説明会と募集の時期(年に1回の市が多い)、対象の条件(欠席の日数や学年)、授業の形(集団授業か、学び直しがあるか)
検討する前に確かめる4つ。籍を移すのが前提です。
  1. 住んでいる市にあるか(国の一覧は34都道府県)
  2. 説明会と募集の時期(年に1回の市が多い)
  3. 対象の条件(欠席の日数や学年)
  4. 授業の形(集団授業か、学び直しがあるか)

よくある質問

Q. 学びの多様化学校と不登校特例校は、違うものですか。

A. 同じものです。以前の「不登校特例校」が、「学びの多様化学校」という名前に変わりました。

Q. いまの学校に籍を置いたまま通えますか。

A. 籍を移すのが前提です。在籍校のまま通うのは、教育支援センターやフリースクールです。

Q. 全国にいくつありますか。

A. 文部科学省の一覧には84件が載っています。令和8年の指定までの数です。

Q. 近くにない場合は?

A. 教育支援センターや学校の中の別室が候補です。別室登校に書きました。

まとめ

  • 学びの多様化学校は、不登校の子に合わせた教育課程を組める、正式な学校
  • 国の一覧は84件。令和6年から8年の指定が60件で、急に増えている
  • 一覧にあるのは34都道府県。東京都14、福岡県8、神奈川県5
  • 授業時間は標準より少なく、朝の始まりが遅い学校が多い
  • 入るには籍を移す。募集は年1回の市が多く、説明会が必須の市もある

出典

  • 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」(2026年10月10日閲覧)。学校名、形態、指定年、学校の管理機関、設置場所。形態別・指定年別・管理機関別・都道府県別の件数は当サイトで数えた。小学部と中学部を1行にした学校などがあるため、「校」ではなく「件」と書いた
  • 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」。制度の概要、名称の変更
  • 各市区の学校の中身(授業時間、対象、募集、開設の予定)は、表からリンクした各記事で、自治体の公式ページをもとに確かめたものです。資料の名前と更新日は、各記事の出典に載せています
  • 標準との差(165時間)と、3年間の割合は、当サイトで計算しました
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杉野 一樹(ペンネーム)
杉野 一樹(ペンネーム)
不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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