不登校

不登校のフリースクール|通っている子は約5%、費用は月4万円前後。出席扱いの要件と自治体の補助を先に確かめる

不登校のフリースクール。費用と出席扱いを先に。分かれ道の前に立つ親子のイラストにタイトルを載せたアイキャッチ
杉野 一樹

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お子さんが学校に行かなくなって、フリースクールという言葉を聞いた。通わせれば出席になるのか。いくらかかるのか。

そこが分からないまま、施設のサイトを見ている方に向けて書きます。

先に答えです。フリースクールに通っている子は、不登校の子の約5%です。費用は月4万円前後。

行けるかどうかは、本人の状態より、家計と自治体の補助で決まっています。

この記事で分かること
  • 不登校の小中学生353,970人のうち、フリースクールなど民間施設に通う子は18,566人(5.2%)
  • 東京都の調査で、月額の中央値は3万8,000円。通わせている家庭の世帯年収の中央値は800万円
  • 出席扱いの要件は4つ。決めるのは施設ではなく学校。補助は自治体で違うので先に確かめる
学校に行かなくなったあとの4つの段階。いま、学び直し、進路、その先。この記事は学び直しの段階
学校に行かなくなったあとの4つの段階。この記事は「学び直し」の話です。

先に答え:通っている子は5%。行けるかは家計と補助で決まる

文部科学省の2024年度の調査では、小中学校の不登校の子は353,970人です。

そのうち、フリースクールなどの民間施設で相談や指導を受けた子は18,566人でした。5.2%です。

5年前は6,328人でした。

3倍近くに増えましたが、それでも約5%です。

なぜ少ないのか。数字を見ると、費用が壁になっています。

東京都の調査で、通わせている家庭の世帯年収の中央値は800万円でした。約90%の保護者が、費用を負担に感じています。

だから、施設を探す前に確かめることが2つあります。住んでいる自治体に補助があるか。そして、出席扱いの要件です。

順に書きます。

フリースクールとは:学校ではない民間の居場所。教育支援センターとの違い

フリースクールは、学校に行っていない子が日中に通う民間の施設です。学校ではないので、通っても卒業や単位にはなりません。在籍は元の学校のままです。

似た名前で、公的な施設があります。教育委員会が設置する「教育支援センター」(適応指導教室)です。違いを表にします。

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フリースクール 教育支援センター
設置民間(NPO・会社・個人)教育委員会
費用月4万円前後(東京の調査)無料が多い
出席扱い学校が要件を満たすと判断すれば可可(公的機関)
通っている子18,566人(5.2%)32,240人(9.1%)
場所都市部に多い。地域差が大きい市区町村に1か所が多い

文部科学省の通知では、出席扱いの相談先は公的機関が基本です。民間施設は、公的機関に通えない場合に、本人や保護者の希望があれば認められます。

先に教育支援センターを見てから、フリースクールを探す。この順番が制度の前提です。

学習塾は、学力の補強が中心です。出席扱いになりにくい理由は不登校の子の塾に書きました。

費用:月額の中央値3万8,000円。最大は67万円

東京都教育委員会が2024年8月に公表した調査があります。

フリースクールに通う子の保護者1,266人が答えたものです。

フリースクールの月額費用。東京都の調査で中央値3万8,000円・平均4万3,136円・最大67万円。東京都の助成は月2万円まで。助成後に残る月額は中央値なら約1万8,000円
月額の中央値は3万8,000円。東京都の助成2万円を引いても、約1万8,000円が残ります。
  • 月額の中央値:3万8,000円
  • 月額の平均:4万3,136円
  • 最大:67万円(施設で差が大きい)
  • 費用を「負担」「やや負担」と答えた保護者:約90%

入会金は別です。文部科学省が2015年に行った全国調査があります。

入会金の平均は、5万3,000円でした。

月会費の平均は、3万3,000円です。

東京の数字と単純には比べられませんが、10年で月額は上がっています。

通わせている家庭の世帯年収は、平均881万円、中央値800万円でした。

全世帯の中央値405万円より高く、子どものいる世帯の平均812万円と同じ水準です。

比べた数字は、厚生労働省の国民生活基礎調査のものです。

所得が低い家庭が、この調査にほとんど入っていない。費用を出せる家庭が通わせている、というのが数字の示す実態です。

補助:東京都は月2万円。自治体で有無も額も違う

自治体が費用を補助する制度が、増えています。東京都は2024年度から、都内在住の小中学生の保護者に月2万円を上限に助成しています。

  • 対象:都の要件を満たす民間の通所型施設(原則週1日以上開所)に、日中に通う不登校の小中学生の家庭
  • 所得制限:なし
  • 対象外:入会金、施設維持費、教材費
  • 申請:2026年度は5月27日から翌年2月12日まで。年度ごとに申請

東京都の調査の月額の中央値で、補助を引いてみます。

項目 月額
月額の中央値3万8,000円
都の補助−2万円
残り約1万8,000円

補助があると、負担は半分近くになります。

支給は四半期ごとで、4月分が戻るのは9月下旬です。支給の予定は東京都の不登校支援にまとめました。

この制度は、住んでいる自治体で有無も額も違います。都道府県の制度がある地域も、市区町村だけの地域もあります。

相模原市は、最大2万円です。住んでいる市区町村の教育委員会に聞いてください。

確かめ方は1つです。「自治体名 フリースクール 補助」で検索し、自治体のサイトを開く。制度があれば、対象施設の一覧も載っています。

補助は「親に出る」「施設に出る」「通学費に出る」の3つの形がある

見るときに気をつけたいのが、お金が誰に出るかです。

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形 例 親から見た違い
保護者に出る岡山市(利用料の半額・月1万円まで)自分で申請し、払った利用料の一部が戻る
施設に出る札幌市(施設の運営費を補助)申請するのは施設。利用料が直接戻るわけではない
通学費を無料にする沖縄県(バス・モノレール代)中高生のみ。在籍校の出席扱いと世帯の所得が条件
交通費の一部を補助仙台市(バスは半額、車の送迎も対象)所得の条件なし。距離と出席扱いが条件
保護者に出る(全額)相模原市(利用料を月2万円まで)所得の条件なし。市外の登録施設も対象
保護者に出る(4分の1か半額)名古屋市(月1.1万円か2.2万円まで)所得の条件なし。就学援助の世帯は半額。県内の施設が対象
保護者に出る(半額、オンラインも)神戸市(通所は月2万円、オンラインは1.5万円まで)出席認定されていることと、市の認定施設が条件
補助はなく、施設の一覧を出す新潟市(市が視察した加盟施設)お金は出ない。市の確認項目を見学の目安にできる
補助はなく、団体の一覧を出す京都市(出席扱いの実績がある37団体)お金は出ない。市の認証ではない
施設に出る(県)群馬県(運営費などの半分)対象の条件に「出席扱いの実績」がある。月謝は施設ごと

保護者に出る形でも、対象になる日や費用は細かく決まっています。岡山市は授業日の通所だけが対象で、オンライン利用や入会金は外れます。

具体的な条件は岡山の不登校支援、札幌の不登校支援、沖縄のフリースクール、仙台の不登校支援、相模原の不登校支援、新潟市の不登校支援、群馬県の不登校支援、名古屋市の不登校支援、京都市の不登校支援、神戸市の不登校支援に書きました。

候補の施設が対象に入っているかを、施設に聞く前に自分で見てください。

出席扱いの4つの要件:決めるのは施設ではなく学校

フリースクールに通った日を、学校の出席として扱う仕組みがあります。2024年度に、学校外の機関に通って出席扱いになった子は42,978人でした。

要件は、文部科学省の通知(令和元年10月)に4つ書かれています。

  1. 保護者と学校のあいだに、十分な連携・協力関係があること
  2. 相談先は公的機関が基本。民間施設は、公的機関に通えない場合で、本人・保護者の希望があり適切と判断される場合
  3. 通所か入所して相談・指導を受けること(施設に通うことが前提)
  4. 施設での学習の計画と内容が、学校の教育課程に照らして適切と判断されること。その場合、学習の評価を指導要録に記入する

この要件は、小学校も中学校も同じです。判断するのは校長で、教育委員会と連携して決めます。施設が「出席扱いになります」と言っても、決める権限はありません。

要件1のとおり、学校と保護者の連携が最初に来ます。施設を決める前に、担任に「この施設に通ったら出席扱いにできますか」と聞いてください。

家で学ぶ場合も、出席扱いにできる

施設に通わず、家でオンライン教材などで学ぶ場合の要件もあります(通知の別記2)。

2024年度に13,261人が、この形で出席扱いになりました。

こちらは7つの要件があり、中心は3つです。

  • 学校と保護者の連携があること
  • 訪問などによる対面の指導が、定期的にあること
  • 「公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合」であること

フリースクールに通えない地域や事情の家庭のための道です。

選ぶ前に、施設と学校に聞く5つ

フリースクールを選ぶ前に施設と学校に聞く5つ。学校には出席扱いの条件と連携の頻度、施設には月額の総額、自治体の補助の対象か。出席扱いを保証すると言う施設は注意
出席扱いは学校が決めます。施設と学校の両方に、同じ質問をしてください。

学校に聞く2つ。

  1. この施設に通ったら、出席扱いにできますか。条件は何ですか
  2. 学校と施設のやりとりは、誰がどのくらいの頻度で行いますか

施設に聞く3つ。

  1. 月額の総額はいくらですか。入会金、教材費、行事費は別ですか
  2. 自治体の補助の対象施設ですか
  3. 学校との連絡は、どのように行っていますか
注意

注意:「必ず学校に戻れる」「出席扱いを保証する」と説明する施設は、確かめる項目が残っています。出席扱いを決めるのは学校です。費用の総額を紙で出さない施設も、同じです。

通わせない選択もある

フリースクールは、出席扱いのために行く場所ではありません。居場所として、本人に合えば価値があります。ただ、合わない子もいますし、費用が続かない家庭もあります。

「フリースクールにも行けない」は、珍しくない

文部科学省の「不登校経験者等を対象とする調査」に、不登校だった当時に利用した場所を聞いた質問があります(インターネット調査)。

いちばん多かった答えは「何も利用しなかった」で、51.1%でした。

民間施設(フリースクールなど)を利用した人は7.3%、教育支援センターは9.7%です。どこにも行けない時期があるのは、少数派ではありません。

まず、無料の場所と学校との連携から

先に見るのは、無料の教育支援センターです。市区町村の教育委員会に聞けば、場所と通い方が分かります。家で学ぶ形で出席扱いにする道も、上に書いたとおりあります。

通うかどうかより先に、「今の学校との連携がある状態」を作ること。どの道にも共通する最初の一歩です。

中学生なら、その連携が高校受験の調査書にもつながります。不登校でも高校受験はできる?「欠席日数で落ちる」は都道府県で答えが違うに書きました。

まとめ

  • フリースクールに通っている子は不登校の子の5.2%。費用は月4万円前後で、通えている家庭は年収が高い側に偏っている
  • 補助は自治体で違う。東京都は月2万円。施設を探す前に「自治体名 フリースクール 補助」で確かめる
  • 出席扱いを決めるのは学校。4つの要件のうち最初は「保護者と学校の連携」。施設を決める前に担任に聞く
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出典

  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月29日公表)。小中の不登校353,970人、民間団体・民間施設で相談・指導18,566人、教育支援センター32,240人、学校外の機関で出席扱い42,978人、自宅ICTで出席扱い13,261人
  • 東京都教育委員会「フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告書【概要版】」(2024年8月22日)。R5調査 N=1,266。月額の平均43,136円・中央値38,000円・最大670,000円、世帯年収の平均881.6万円・中央値800万円、負担感約90%
  • 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2015年8月)。474施設、4,196人、月会費平均約3万3,000円、入会金平均約5万3,000円
  • 東京都生活文化局「フリースクール等利用者等支援事業」(2026年度)。月額上限2万円、所得制限なし、申請期間
  • 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)別記1・別記2
  • 文部科学省「不登校経験者等を対象とする調査」(令和7年、委託先:有限責任監査法人トーマツ)。不登校当時に利用した場所や相談した人(インターネット調査):何も利用しなかった51.1%、教育支援センター9.7%、民間施設7.3%
  • 厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査」。全世帯の所得の中央値405万円、児童のいる世帯の平均所得812万円
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杉野 一樹(ペンネーム)
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不登校・進路情報編集者
「みちほどき」運営者。 不登校や学校に行きづらくなった子どもと保護者に向けて、出席扱い、学習支援、フリースクール、通信制高校、高卒認定、進学・就職などの情報を発信しています。 専門家や当事者としてではなく、文部科学省や自治体、学校などが公開する情報を確認し、制度や選択肢をわかりやすく整理することを大切にしています。 「学校に戻る」だけではない、その子に合った次の道を考えるための情報サイトを目指しています。
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